円安などに反応は鈍く、目先の需給に振らされて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年07月02日 16時14分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株高や円安を好感して買い先行で始まったものの日経平均が10000円を意識するところでは上値も重くなりました。昨日の相場で10000円を大きく超えるところで先物にまとまった売りが出たことを見て、10000円を超えたところでの売りを懸念して買い上がれないということのようです。今晩米国で発表される雇用統計とそれに反応する株式市場の動きを見極めたいと言うことで、手控え気分も強まったようです。

 さすがに最近では「アジア市場が高いから」などというコメントは少なくなって来ましたが、昨日の相場でもそうなのですが、「買う」「売る」ということに何らかの理由をつけなければならないと考えているような面もあるのではないかと思います。ですから、新聞や他のニュースでも昨日の相場が軟調となったことについて何も報道されていないのでしょう。

 実際には(恐らく)日経平均が10000円をつけると困る人(達)がいて、先物を大量に(ヘッジも含めて)売った、と言う事実があり、それをみたディーラーが売り急ぐ展開となったということではないかと思います。最近ではファンダメンタルズがどうのこうのというよりも目先的な動きを追う投資家(投機家)ばかり、と何度もこのコラムでも述べていますが、実際にニュースに関しては「知ったら仕舞い」ということですし、目先的な需給に振らされることが多いのではないかと思います。

 それでは何を見て株を買えばいいかといえば、目先的な需給の売り買いに付いていくということも一つの手ですし、逆に目先的な需給を逆手にとって、売り物には買い向かい、目先的な動きは無理して時間的に買い方を分散するなどしてリスクを減らし、中長期の投資に徹するということではないかと思います。無理をして付けた値段は本来あるべき姿のところに落ち着くものではないかと思います。割安銘柄が売られれば買い、割高銘柄が買われれば売る、と言うことで良いのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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