円安などに反応は鈍く、目先の需給に振らされて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年07月02日 16時14分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9876.15円 ▼63.78円
売買高 20億7126万株
日経平均先物 9890円 ▼40円
売買代金 1兆4485億円
TOPIX 924.02 ▼4.28
値上がり銘柄 647銘柄
東証マザーズ指数 443.61 ▼1.57
値下がり銘柄 927銘柄
日経ジャスダック平均 1213.05円 △8.01円
変わらず 124銘柄
騰落レシオ 119.29% ▼3.71%

日経平均

米国株高、円安などに反応は鈍くあいかわらず目先の需給に振らされて軟調

 米国株が堅調、一時大幅高となっていたことや為替も円安方向に振れたことから買い先行となりました。寄り付きから10000円の心理的な節目を抜けて来るかと思われましたが、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が売り越しと伝えられたことや前日の先物のまとまった売りへの恐怖感に加え、米国での経済指標の発表を見極めたいとの動きもあり、寄り付きの買いが一巡した後はじり安となり、最後はほぼ横ばいとなったものの軟調となる場面もありました。

 後場に入っても買い気に乏しく、寄り付きからいったんは戻り歩調となったものの、上値の重さを再び確認するとすぐに売りに転じ、軟調な地合いが続きました。むきになって下値を売り叩くような動きもほとんどなく、散発的な先物の売りに指数が押されるという展開なのですが、前場同様に米国雇用統計の発表を見極めたいとの動きや前日のような先物のまとまった売りを警戒する動きから買い気に乏しい展開となりました。先物を売り叩く動きがなかったことから、最後は買戻しも見られましたが上値も限定的となりました。

 小型銘柄は主力銘柄が見送られる中で値動きの良さから物色されるものも見られ、まちまちとなりました。東証マザーズ指数は軟調となったものの、二部株指数や日経ジャスダック平均は堅調となりました。先物は朝方から散発的にまとまった売りが見られましたが、追随するような動きや下値をむきになって売り叩く動きもなく、指数の上値を押さえる展開にはなったものの押し下げるような動きはありませんでした。最後まで買戻しも少なく方向感のない動きでした。

 前日に続き買い気の乏しい展開で、特に売り急がなければならない理由のないところで売られた感じです。日経平均が10000円をつけると困るという人がいるのかもしれませんし、大型増資が相次いでいることから、需給懸念と言うこともあるのかもしれません。また、公募に応募するための換金売りなどというのもあるのかもしれません。いずれにしてもここでもう少し、踏み止まってくれば日経平均10000円というところで売りが積み上がった可能性もあり、買戻しがはいれば、一気に次の節目と見られる11000円前後を目指すことになりそうです。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 10000円を手前にもみ合い軟調となりましたが、まだ昨日の値幅の範囲と言う感じで方向感がないと見てもいいのでしょう。基準線の上昇は続き強含みには違いないのでしょうが、RSIはまだ上昇余地はあるものの、ストキャスティックスは余地はあるものの高値圏にあり、そろそろ10000円を抜けてこないと失望感が強まるかもしれません。いずれにしても基準線にサポートされる格好とはなるのでしょう。

TOPIX

NYダウ

 昨日の値幅の範囲内での動きで方向感のない展開となっています。RSIもストキャスティックスもまだ上昇余地はあり、基準線のサポートを意識しながら強含みの展開が続くものと思われます。

円相場

NYダウ

 遅行線が日々線と「底−底」一致となる日柄に先んじてサポートされながら強含みとなりました。日々線も雲の中に突っ込み、引き続き強含みの展開が続くものと思います。RSIやストキャスティックスは上昇余地もあり、遅行線が日々線にサポートされながら雲の上限を目指すことになるのでしょう。

銘柄ピックアップ

指数に振らされながら乱高下、金融株は堅調

日 立(6501) 307 △9

 ハイブリッド車用のリチウムイオン電池を大幅増産すると報じられ、業績拡大を期待する買いが入り、堅調となりました。

イオン(8267) 936 ▼28

 食品や日用品を格安で販売するディスカウント店を本格展開すると伝えられましたが、同業のセブンアンドアイHD(3382)も既に同様の出店をしており、競争が激化することへの懸念から売りが先行、軟調となりました。

スズキ(7269) 2205 △30

 6月のインド国内売り上げ高が引き続き好調と発表されたことで、欧米などの自動車販売の回復が鈍い中で新興国で好調な販売を続ける同社を改めて評価する動きで堅調となりました。

ヤマハ 発(7272) 1110 △46

 為替感応度が高いなかで円安が進まないことや、販売・生産が想定されたよりも芳しくないということで外資系証券が投資判断と目標株価を引き下げ、軟調となる場面もありましたが、逆に買戻しなどもあって大幅高となりました。

ケーズHD(8282) 2520 △135

 2009年4−6月期の連結当期利益が「エコポイント」制度が追い風となって、前年同月比40%増となったと報じられたことで、買いを集め、大幅高となりました。

キヤノン(7751) 3070 ▼60

 為替が米ドルだけでなくユーロでも円安に振れ、利益の上ブレなども期待されましたが、特に材料視されることもなく、手仕舞い売りなどがかさんで軟調となりました。持高調整の売り銘柄として売られた面もあるものと思います。

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