前場・後場で雰囲気が一転、持高調整の売りに押されて一時大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年06月29日 16時32分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 朝方は堅調な展開となったのですが、後場に入ってから突然売りがかさみ軟調となりました。金融機関の増資が多いことや目先的な過熱感があること、自動車の生産・販売が相変わらず底入れ感が出ない事などなど急落となった理由はいろいろとありますが、どれも「決定的な」売り材料でもないような気がするのですが、予想以上に大きな下げとなりました。

 本日のように特に大きく下げなければならない理由があったわけでもなく急落したようなときはまずは冷静に下落の理由を分析する必要がありそうです。前場から為替も円高であり、金融機関の大型増資への懸念もあり、目先的な過熱感が強かったことは強かったのですが、持高調整と見られる買いも比較的少なかったことから、堅調な展開となったものと思います。

 後場になって急に大きな下落となったということは持高調整と見られる売りを急ぐ動きがあったことなのでしょうが、「合成の誤謬」というようなものに近く、それぞれが違う理由で売りに転じたことで、一斉に売りが出たような格好となったのでしょう。前場の段階で上値の重さが気になっていたことで、いったん手仕舞売りが出ると何だかんだという理由で売りがかさんだものと思います。

 ただ、これらの売りはいずれにしても目先的な動きと見てもいいのではないかと思います。今後も日米の景況感を示す指数の発表などを見ながら右往左往することになるのでしょうが、景気の底入れという大きな流れには変わりないものと思われます。景気底入れがまだ確認できず、底割れの懸念も残るというような決定的な材料が出るまではまだ戻り相場の「踊り場」と見ておいても良いものと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.