前場・後場で雰囲気が一転、持高調整の売りに押されて一時大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年06月29日 16時32分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9783.47円 ▼93.92円
売買高 22億3705万株
日経平均先物 9820円 ▼80円
売買代金 1兆4919億円
TOPIX 915.32 ▼11.48
値上がり銘柄 528銘柄
東証マザーズ指数 439.08 △3.28
値下がり銘柄 1064銘柄
日経ジャスダック平均 1190.94円 △7.62円
変わらず 112銘柄
騰落レシオ 121.58% ▼8.82%

日経平均

前場・後場で雰囲気が一転、持高調整の売りに押されて一時大幅下落

 週末の米国市場はもみ合いとなり、為替も円高、朝方発表になった5月の鉱工業生産指数も予想を下回ったことなどから売り物がちの始まりとなりました。ただ、寄り付きからの売り買いが一巡した後はディフェンシブ銘柄やハイテク銘柄の一角が堅調となり堅調な展開になりました。米ナスダック指数が堅調となったことや米ハイテク銘柄に堅調なものが多かったことから円高にも関わらず輸出関連銘柄なども堅調となったものと思います。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も株数では売り越しながら金額ベースは買い越しと伝えられて売り要因とならなかったようです。

 昼の時間帯に為替は円安に振れたのですが、自動車の生産・輸出などが相変わらず芳しくないと発表され、先週末の大手証券に続き、大手銀行でも大型の増資を行うと伝えられたことなどに加え、持高調整の売りなどもあり、大幅下落となりました。先物へのまとまった売りも散見され、目先的な過熱感も強かったことや日経平均が10000円をつけないことでの失望感などいろいろな売り要因が絡み、大きな下落となったものと思われます。最後は目先筋の買戻しや月末のお化粧買いに期待する動きなどから買戻しも入りましたが、決定的な売り材料のないなかで軟調となりました。

 小型銘柄は堅調なものが目立ちました。主力銘柄の動きが鈍るなかで値動きの良さを好感した買いも入ったものと思います。東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均は堅調、二部株指数も小幅高となりました。先物には朝方からまとまった売り買いは散見されましたが、後場に入ってからはまとまった売りに追随する動きもあり、指数を下押す要因となりました。目先筋の思惑的な売り買いもかさんで振り回されているものと思います。

 特に大きな材料があったわけでもないのですがちょっとした材料が重なったことで大きな下落となったものと思います。ただ、それぞれが一斉に悲観的な見方になったということであり、大きな流れに変化があったとは思われません。ますます10000円と言う水準が重く感じられてしまうのかもしれませんが、逆にちょっとした動きで大きな指数の変化になってしまう水準ということなのかもしれません。明日は月末のお化粧買い期待と期待通りいかなかったことへの失望感や単なる目先的な思惑で右往左往することになるのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 上値の重い展開となりました。遅行線が日々線と大きく乖離するなど過熱感を示すものもあるのですが、特に売り急がなければならないものでもなく、転換線や基準線を意識するところでは底堅さも見られます。引き続き転換線や基準線をサポートされながら戻りを試す動きは続きそうですRSIは下げ足りなかったのですが、低い水準から戻り歩調となっており、ストキャスティックスも底値圏からの戻りを示し、上値を試す動きとなりそうです。

TOPIX

NYダウ

 軟調となりましたが、基準線にサポートされて底堅さが見られます。RSIは下げ足りないのですが上昇となっており、スト伽スティクスも戻りを示唆していることなどから、基準線をサポートに反発となるのではないかと思います。RSIやストキャスティックスが高値圏になるまで強含みとなって来るのではないかと思います。

円相場

NYダウ

 雲に上値を押さえられて軟調となっていますが遅行線は日々線にサポートされていると見てもいいのでしょう。遅行線が日々線と「底−底」一致となる可能性が高いのですが、ストキャスティックスは底値圏にあるものの、RSIは下げ足りず、もう少し遅行線が日々線にサポートされながら、日々線は雲に上値を押さえられながら調整が続くものと思います。

銘柄ピックアップ

材料に反応しきれず持高調整の売り買いに振らされる展開

高島屋(8233) 751 △32

 先週末の引け後に3−5月期決算を発表、前年同月比で93%の大幅減益と発表されましたが、想定された範囲で黒字を確保したことを評価する動きや外資系証券が投資判断を買いで変更せず目標株価も現在の株価よりも大きく上回っていることから大幅高となりました。

GSユアサ(6674) 843 ▼100

 相場全体に手詰まり感が出ているなかで、外資系証券がバリュエーションから見て割高感が強いとして投資判断を売りで開始、目標株価も大幅に下の水準としたこともあり、利益確定売りや見切り売りなどがかさんで大幅下落となりました。電池関連銘柄の本命として人気となっていただけに、売り急ぐ動きも出たものと思います。

ホトニクス(6965) 1841 ▼145

 先週末に2009年9月の連結最終損益が従来の黒字予想から一転赤字となったことを嫌気し、売り気配から始まり大幅下落となりました。

武 田(4502) 3700 ▼90

 ここのところしっかりとしていたことの反動に加え、米国で販売許可申請中の糖尿病治療薬が追加の臨床試験(治験)が必要になり、業績への影響が懸念されて売りがかさみました。

エルピーダ(6665) 1031 △14

 新聞で再建に向けた官民の金融支援の額が具体的に取りざたされたことで、財務基盤の今日や設備投資の増強による競争力向上を期待した買いが入り、一時大幅高となるなど堅調となりました。

カネカ(4118) 656 △17

 従来は欧州などへの輸出が9割以上となっていた太陽電池を全国の有力工務店向けに供給を始めると新聞で報じられ収益拡大を期待する買いが入り堅調となりました。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.