景気後退懸念は薄れたが、金利上昇を嫌気して上値の重い展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年06月25日 08時14分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8299.86▼23.05

<NASDAQ>1792.34△27.42

<為替:NY終値>95.62-95.68

景気後退懸念は薄れたものの、金融政策維持での金利上昇を嫌気して上値の重い展開

 朝方発表された耐久財受注が予想に反して増加したことや経済協力開発機構(OECD)が加盟30カ国の2010年の実質経済成長率の見通しを上方修正したことなどから堅調な始まりとなりました。前日の引け後や朝方発表になったハイテク銘柄などが予想を上回る決算を発表したことも買い要因となりましたが、FOMC(公開市場委員会)で現状の金融政策を維持すると伝えられると国債買い入れ拡大が見送られたことから長期金利が上昇、それを嫌気する動きで上値を押さえられ、ダウ平均は軟調となりました。

 景気は着実に回復してはいるようですが、足元もまだふらついているということのようです。株式市場も完全に強気になりきれず、悪材料には敏感に反応しているものと思われます。ただ、足元の景況感や経済指標に続き、比較的好調な決算や収益見通しを示す企業も多くなっており、悪材料での株価の下落も広範囲に周りを引きずり込むようなことにはなっていません。それだけセンチメントも上向いていると見てもいいのではないかと思います。金利上昇は気になるところではありますが、まだ少しだけ余裕はあると思います。

 個別にはボーイングが引き続き大幅下落、ホームデポも続落となるなど売られる銘柄は大きく売られる状況にあります。減収減益決算を発表したモンサントも安く、悪材料にはしっかりと反応しているようです。一方で、好材料への反応や割安感からの買いもあり、オラクルは好決算を発表して大幅高、キャタピラーやインテルなどもしっかりとなりました。予想を上回る決算を発表したジャビルサーキットも高く、日本のカルビーとの資本・業務提携を発表したペプシコも堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は引き続き節目と見られる9500円を意識した水準では底堅いのですが、戻りも鈍く、上値の重い展開となりました。前日の大幅下落の割には戻りも鈍いのですが、依然として持高調整の売りが見られるなかで外国人も買い越しと伝えられて反発となったものと思います。

 引き続き米国市場はもたついた雰囲気ですが、景気回復の遅れを懸念する動きも一服となったことで、日本市場も引き続き戻りを試す展開となりそうです。エネルギー関連の話題も多く、目先的なリバウンドを狙うものとして、持高調整と見られる売りに押されていた商社株などの戻りに期待してもいいのではないかと思います。ディフェンシブ銘柄などの出遅れ感が強い銘柄群も先駆した銘柄が戻るなかでも買われるかどうかが注目されますが、総じて見ると目先筋の利益確定売りをこなしながら堅調な動きとなるものと思います。為替も落ち着いており、輸出関連銘柄などの売られすぎたもののリバウンドは期待できると思います。

 9500円水準の底堅さが確認されたことで、9500円から10000円のもみ合いという見方が現実味を帯びて来ました。まだまだ不安材料は多いものの、この水準からは下値を売りたたき難く、戻りを試すことになりそうです。とりあえずは9700円から800円水準を抜けるかどうかということになりそうで、実際にはその水準を抜けないことには9500円が押し目の底値であると確認できないと思います。9800円を抜けてくれば、あっさりと10000円回復ということになるのではないかと思います。

本日の注目点

◇1−3月期の米GDP確定値

◇昨日(24日付)の「本日の注目点」は1週間前のものでした。大変失礼いたしました。お詫び申し上げるとともに(もう遅いのですが)訂正して掲載しておきます。

◇経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会(パリ、25日まで)

◇5月の貿易統計(財務省)

◇5月の企業向けサービス価格指数(日銀)

◇3−5月期決算:ハイデイ日高(7611)、イオンモール(8905)

◇5月の米耐久財受注

◇5月の米新築一戸建て住宅販売

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