著者プロフィール:木村奈津子
慶應大学商学部卒。消費財の海外マーケティング、インターネットマーケティングを得意とし、ソニー、アマゾンドットコムなど複数のグローバル企業で常に日本文化と海外文化の狭間に立ってきた。仕事、プライベートで海外40都市以上に居住+旅行する大の海外好き。現在は世界最大のオンライントラベル会社エクスペディアの日本法人のマーケティング責任者で、旅行癖がさらに加速中。
そろそろ夏の海外旅行の計画を立てている人も多いのではないだろうか? 秋のシルバーウィーク(9月に予定されている5連休)を活用して海外旅行、お盆は実家という人もいるだろう。
ひと昔前までは、海外旅行といえばツアーガイド付き、観光スケジュールがびっちり朝から晩まで組まれたパッケージ商品が主流で、「カメラを首から下げた大勢の団体観光客=日本人観光客」という印象を外国人から持たれていた。しかし、海外旅行が昔よりも手軽になり、リピーターが増えるにつれて、個人で航空券やホテルを手配し、自由に行動する個人旅行の割合が今では4割弱にまで増加した。また最近はパッケージ商品でも、「フリープラン」という航空券とホテル、送迎を組み合わせたものだけの商品が売り上げの約半分を占めるまでになっている。
「安く海外に行きたい!」と思ったら、多くの人は大手の旅行代理店を思い浮かべるだろう。確かに「ソウル2万円」といった破格的に安いフリープランのパッケージ商品をよく目にする。このような商品は、店頭POPやWebサイト、テレビCMなどで大きく宣伝されている。旅行会社にとっては、このような目玉商品を設けてお客に興味をもってもらい、店頭またはWebサイトに訪問してもらうことが狙いだ。
しかし、出発日がかなり限定されていたり、出発や到着が夜中であったり、航空会社未定でマイルが付かない、ホテルが指定されておらず、“2つ星”などとしか書かれていないといったケースも多い。もちろん、とにかく安く行きたくて、多少の不便があっても良く、マイルをためている航空会社がなく、ホテルも2つ星で良いという人には適した商品ではあるので、そういう人にとっては理想的な商品だろう。しかし、安さを求めつつも、旅行に対して多少のこだわりがある人には不満が残るだろう。
また、通常のパッケージ商品は2名1組を前提とした料金体系になっているが、1人旅だと1人分追加料金が加算される。こうしたことから、結果的に当初目にした基本料金から程遠い金額になってしまった経験はないだろうか?
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