個人旅行がオトクな理由：木村奈津子の知っ得トラベラー通信（2/3 ページ）

[木村奈津子，Business Media 誠]

一人旅、盆＆正月の旅行なら個人旅行がオトク

　オンライン旅行会社のエクスペディアの顧客サーベイによると、「パッケージ商品ではなく、ホテルと航空券をバラバラに買う理由」として、一番多かった理由は“自由度の高さ”。フリープランのパッケージ商品も自由度は高いが、送迎が付くために他のツアー客が全員集まるまで空港で待たなければならなかったり、安いツアーではお土産屋からのキックバックを条件に送迎が付いているため、長い時間お土産屋に立ち寄らされてしまうこともある。このようなことがわずらわしいと思う人が個人旅行を選ぶのだ。

　第二に多かった理由は何と“安さ”。エクスペディアの顧客は、パターンやニーズによっては個人手配のほうが安いことを熟知した上で予約しているようだ。

　先ほど触れたように、パッケージのお得商品はある一定の条件に当てはまるものだけが破格に安い場合があり、下記のような場合は追加料金で思わぬ金額に釣り上がる可能性がある（例外的なケースもある）。

1．4つ星以上の高級ホテルに泊りたい場合

2．マイルが100％加算される航空券にしたい場合

3．1人で旅行する場合

4．お盆や年末など日本のハイシーズンに旅行する場合

　1に関しては、世界中で展開していて、かなりの在庫ボリュームを直接ホテルと交渉して販売しているような会社では、驚くほど安い値段が付いていることが多々あり、30％引きや3泊で1泊無料といったお得プランもよくある。世界中の顧客を一括して送客しているからこそなせる技だ。このようなグローバルに展開している会社は、ホテル客室の仕入れを日本のためだけにしているわけではないため、日本のハイシーズンにあわせて価格を調整したりすることはない。そのホテルがある国の通貨で一括仕入れをして、その日の為替で各国の通貨表示に変換しているだけ。だから値段も毎日変わるし、円高になれば何もしなくても安くなってくる。

　また、外国の部屋の値段は日本と違い、原則として人数単位の課金ではなく、部屋単位の課金である。そのため、宿泊人数が増えても合計料金はほとんど変わらない。そうなると、部屋料金を宿泊人数で割って、航空券代金を足したら、パッケージ商品の1人当たり料金より安くなることもありうる。

　航空券はホテルとは異なり、出発国の経済レベル、および出発日ごとの需要に応じて料金が設定されているので、パッケージと同様、日本発の航空券の値段は、日本のハイシーズン時期にはそれなりに高くなってしまう。その一方で、ホテルはグローバルで共通価格が設定されており、日本のハイシーズンは関係がない。すると、航空券とホテルを別々に個人で手配すると、結果的にパッケージ商品より安くなる可能性がある。夏の旅行シーズン、またはシルバーウィークに自由な海外旅行をしたいと思っている人は、ぜひ参考にしていただければと思う。