過熱感が強く、為替が円高、経済指標も予想を下回ったにも関わらず大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年06月10日 15時47分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 悪材料にはほとんど反応せず、好材料に敏感に反応して、予想外の大幅上昇となりました。オプションのヘッジのために先物を買い急ぐ動きがあり、先物主導ということは否めないのですが、米国での半導体関連銘柄高、や商品市況の好転を好感する動きも上げ幅を広げる要因となったものと思います。

 株式投資などの時に「逆張り」とか「順張り」というがことがあります。下がっていることころで買い、上がっているところで売るのが「逆張り」で、上昇しているときに買い、下がっているときに売るのが「順張り」と言います。ただ、実際に売買するときには「自分は順張りだから」などといってこだわる人は少ないのではないかと思います。

 人間誰しも、今日の相場のように高くなればどこまでも高くなると思い、下がっているときはどこまでも下がるのではないかとあせってしまうのが当たり前なのです。実際に株式の売買をしているとそういう雰囲気だけで買ったり売ったりすることが多く、比較的「順張り」と言う人が多いのではないかと思います。「逆張り」といっても高値、安値を見極めたことろで買い向かう、売り向かうのが本当の逆張りなのです。

 ただ、昨年の10月の急落のようなときに買い向かう人も多いのですが、実際に下がっているときでも漫然と「下がっているから」ということで買い向かって「逆張り」といっていることが多いのではないかと思います。底値をつけて反転を確認してから順張りに行く、と言うようなのも大きな流れでの「逆張り」であり、短期の流れて見ると「順張り」なのです。「順張り」だとか「逆張り」だとかを考えずに、「流れに乗る」ことを考えて見てもいいのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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