経済指標の好転は見られるが金利上昇や前日の反動で大幅安清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年05月28日 08時20分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8300.02▼173.47

<NASDAQ>1731.08▼19.35

<為替:NY終値>95.34-95.4

経済指標の好転は見られるが金利上昇や前日の反動で大幅安

 朝方発表された中古住宅販売は一部高級住宅の動きは悪いものの予想を上回り、大手自動車会社破綻の可能性が強まったこともある程度織り込み済みとされ、前日の大幅高の反動はあったものの底堅い推移となりました。ただ、国債入札に絡むヘッジ売りなどもあり、長期金利が大きく上昇したことから景気回復への影響などが取りざたされたことやFDIC(米連邦預金保険公社)が四半期報告書の発表のなかで経営に問題のある金融機関が増えたと指摘したことから金融株を中心に売られ、大幅下落となりました。

 景気の底入れ感は強まっており、経済指標も好転の兆しは見えているのですが、自動車会社の問題が片付かないことや財政の問題なども頭をもたげており、今一つ強気になり切れない感じです。景気回復が本格化したことによる金利上昇ならばいいのでしょうが、需給などを見越した金利上昇ということで景気などへの懸念が強まったものと思います。財政負担の大きさが気になりだすとこれまでの政策の方向性を疑うことになり、ますます疑心暗鬼になって来るのでしょう。

 それでも個別にはキャタピラーやメルクなど「国際優良銘柄」は高く、アップルやグーグルなども堅調、韓国サムスン電子との特許契約更新を発表したサンディスクが大幅高となり、半導体株指数(SOX)を押し上げました。破綻が現実的になってきたGM(ゼネラルモーターズ)は大幅下落、JPモルガンチェースやアメリカンエクスプレスなど金融株も軟調となるものが目立ちました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株が大幅高となったことや円高一服を好感して買い先行となりました。寄り付きからの買いが一巡した後も堅調な地合いが続きましたが、節目と見られる9500円を意識して上値も限定的となり、狭い値幅での動きとなりました。特に材料視されるものもなく、米国での景気底入れ期待から出遅れ銘柄を中心に買われ、主力銘柄は買い戻しが入るものも多く、大幅高となりました。

 米国株が大幅安となったことや昨日の相場で節目を抜け切れなかったことから上値の重い展開となりそうです。シカゴ市場(CME)の日経平均先物も安く、下値を試す動きとなりそうです。一方で指数に影響の大きな半導体関連銘柄は米半導体株高や円高一服を好感して底堅さも見られそうで、指数の下支えとなって来るかもしれません。米大手自動車会社破綻の懸念が強まったことで、自動車部品株への影響は避けられないのでしょうが、ある程度織り込まれており、相場全体への影響はそれほど大きくはないものと思います。ここのところの戻りを主導したディフェンシブ銘柄に底堅さが見られるかどうかが注目されます。

 9500円の壁を抜け切れなかったことでの手仕舞い売りも出てきそうです。取りあえずは9300円から500円の間でのもみ合いとなるのか、あるいは9300円を割り込んで再び9000円前後の、8800円から9000円水準の下値を試すことになるのか、を試すことになるのでしょう。本日はとりあえず昨日の上昇をどこまで打ち消してしまうのかを確認することになりそうですが、円高一服や半導体関連銘柄の底堅さも期待され、下げも限定的となって来るかもしれません。いずれにしても9500円水準での上値の重さを確認する格好となりそうです。

本日の注目点

◇5月の地域経済動向(内閣府)

◇4月の商業販売統計速報(経産省)

◇4月の国内乗用車8社の国内生産・販売、輸出、海外生産実績(各社が個別発表)

◇石油輸出国機構(OPEC)臨時総会(ウィーン)

◇4月の米耐久財受注

◇4月の米一戸建て住宅販売

◇決算・11−4月期:パーク24(4666)

◇決算・2−4月期:米デル

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