景気底入れ感が強まったことや住宅価格指標の好転で大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年05月19日 08時24分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8504.08△235.44

<NASDAQ>1732.36△52.22

<為替:NY終値>96.28-96.34

景気底入れ感が強まったことや住宅価格指標の好転で大幅高

 週明けの米国市場は週末のヘッジ売りの買い戻しに加え、前日の大幅下落の反動などから買い先行となりました。好調な業績見通しの発表や投資判断の引き上げなども見られたことから景気底入れ機運も高まり、買戻しを交え堅調な地合いが続きました。午後になって住宅価格指数が2ヶ月連続で前月比プラスと伝えられると一段高となり、ダウ平均も節目と見られる8500ドル水準まで一気に戻し、大幅高となりました。

 住宅価格指標など経済指標ばかりではなく、決算見通しも強気に見るところも出てきました。それだけ楽観的な見方が増えてきたということであり、そうした楽観的な見方がまた景気底入れの要因ともなるのでしょう。ダウ平均は8500ドルまで戻り、ここからも一段上昇できるかどうかと言ったところです。ダウ平均が9000ドル、ナスダック指数が1800を超えてくれば底入れ確認と見てもいいものと思います。

 個別には投資判断の引き上げ=買い推奨リストにのったバンクオブアメリカが大幅高、連れてJPモルガンチェースやシティグループなど金融株が軒並み大幅高となりました。市場予想を上回る決算と利益見通しを発表したロウズが買われ、景気底入れ感を強め、IBMやアップル、グーグルなどハイテク銘柄も軒並み堅調となりました。原油価格も上昇となったことでエクソンモービルやシェブロンも高く、GM(ゼネラルモーターズ)も相場の地合いに押され堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は週末の大幅高の反動や米国株安、円高を受けて売り先行となりました。外国人は買い越し基調と伝えられたのですが、新型インフルエンザの感染拡大を嫌気する動きや決算発表が出揃ったところでの達成感のようなものから手仕舞い売りもかさんだものと思います。節目と見られる9000円水準では下げ渋りましたが戻りも鈍いものとなりました。

 昨日の大幅下落の反動や米国株が大幅高、為替も円安となったことで本日の日本市場も大幅な反発が期待されます。昨日の下落を取り戻しそうな勢いですが、輸出関連銘柄の買い戻し以外のところで物色対象が広がって来るかどうかが注目されます。また、新型インフルエンザの感染拡大の影響や明日のGDP(国内総生産)の発表も気になるところであり、上値の重くなる場面もあるのかもしれません。ディフェンシブ銘柄など出遅れ感の強い銘柄の水準訂正など物色対象が広がれば大きな上昇となるのでしょう。

 日経平均は9000円の下値の節目を確認した格好です。今度はまた反発のなかで上値を試すことになりそうですが、9300円台を固める動きとなるのか、あるいは9300円から500円水準を戻り高値圏として上値の重さを確認することになってしまうのかが注目されます。本日の相場でもまずは9300円台まで戻るかどうかが試されることになりそうです。9300円前後で上値を押さえられるようであれば、まだ9000円前後での底値固めが必要ということになってしまうのでしょう。逆に9300円をあっさりと抜けて9300円台を固めるような動きになれば、早めに9500円を抜けて、底入れ確認となるのでしょう。

本日の注目点

◇3月の鉱工業生産指数確報(経産省)

◇4月の米住宅着工件数

◇決算・3月期:三菱UFJFG(8309)、スクウェア・エニックスHD(9684)、ニチイ学館(9792)

◇決算・2−4月期:米ホーム・デポ、ヒューレット・パッカード

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