予想を上回る経済指標や決算発表を受けて大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年04月27日 08時38分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8076.29△119.23

<NASDAQ>1694.29△42.08

<為替:NY終値>97.13-97.19

予想を上回る経済指標や決算発表を受けて大幅高

 朝方発表になった耐久財受注や新築住宅販売が予想を上回ったことや自動車株や金融株の決算が予想を上回ったことから堅調な展開となりました。銀行のストレステスト(健全性審査)の手法が公表され、金融機関への通知も開始したと伝えられたところでは週末の手仕舞い売りや金融不安からの見切売りなどが出る場面もありましたが、逆に無事に乗り切った金融機関が多いとの見方から買戻しも入り大幅高となりました。

 破綻が懸念される自動車株も好調な決算を発表する企業もあったことから、景気底入れ感も強まったものと思います。原油価格や貴金属価格も金融不安が薄れ、信用収縮懸念が薄れたことから変われ、景気回復期待を強める要因となり、買戻しを急がせる要因にもなっていました。決算動向もいろいろな懸念は残るものの「思ったほど悪くない」と言うような感じで、値ごろ感からの買いもあったようです。

 個別には赤字幅が予想ほどではなかったことからフォードが大幅高、連れてGM(ゼネラルモーターズ)も買われました。前日の引け後に予想を上回る決算を発表したアメリカンエクスプレスも大幅高となり、連れてバンクオブアメリカ、JPモルガンチェース、ウェルズファーゴなどが高くなりました。決算動向に敏感に反応するなかで、予想通りの決算を発表したマイクロソフトも大幅高、同様に予想を上回る決算を発表したアマゾンドットコムも堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 週末の日本市場は米国での金融不安が再燃したと見られたことや米自動車株の破綻懸念から大幅安となりました。為替も円高に振れたことから手仕舞い売りやヘッジ売りに押されたのですが、市場参加者が少ないなかで、目先筋が米国市場への過剰な反応で売り急いだということなのでしょう。

 週明けの日本市場は週末の米国市場が堅調となったことやG7でも景気底入れが確認されたような格好となり、堅調な展開が期待されます。ゴールデンウィークと言うことで、ますます市場参加者が減り、目先的な需給に振らされることが多いのでしょうが、決算動向も「思ったほど悪くない」決算も多く、また、市況の回復なども見られるものが多いことから、週末のヘッジ売りの買戻しなどもあって堅調な展開が期待されます。目先的な過熱感もまだ冷めたわけでもないのですが、一時期に比べるとかなり冷めたことで、決算動向などを勘案しても売られすぎとなっている銘柄などの水準訂正や値ごろ感からの買いも見られるものと思います。

 9000円を意識するところではまだ上値も重くなるのでしょうが、8600円を大きく割り込んでしまうような雰囲気もありません。最終的には8200円から300円の水準を割り込まなければ大丈夫なのでしょうが、当面は8500円から600円の下値に9000円前後の上値の範囲での動きとなりそうで、この水準をどちらに抜けるかが今後の決算発表などで変わってくるものと思います。

本日の注目点

◇09年度政府経済見通しを修正

◇3月の外食売上高(日本フードサービス協会)

◇決算・3月期:キッコーマン(2801)、コマツ(6301)、シャープ(6753)、京セラ(6971)、三菱自動車工業(7211)、東日本旅客鉄道(9020)、日本郵船(9101)、商船三井(9104)

◇決算・1−3月期:米ベライゾン

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