強弱感の対立する決算発表や経済指標の発表を受けて乱高下清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年04月23日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>7886.57▼82.99

<NASDAQ>1646.12△2.27

<為替:NY終値>97.98-98.04

強弱感の対立する決算発表や経済指標の発表を受けて乱高下

 前日の大幅高の反動などから売り先行となったのですが、朝方発表になった住宅価格指数が2ヶ月連続の上昇となり底入れ感が出たことやウェルズファーゴの好決算などを受けて切り返す場面もありました。ただ、その後も金融機関を初めとする決算発表に敏感に反応するような格好で強弱感が対立、乱高下となりましたが、結局は金融株の下落に押されるようにダウ平均は軟調、ナスダック指数は堅調となりました。足元の景況感は底堅く、業績も底入れ感が出ているのですが、金融不安が拭いきれないといった展開でした。

 住宅価格指数が堅調となったことや比較的底堅い決算発表などもあるのですが、指数の上値は重くなっています。個人消費や雇用指標が好転したということでもないことから、景気底入れ感は出ているものの何となくほんものかどうか疑心暗鬼ということなのでしょう。金融機関の決算にしても、どこまで本当なのかと言う見方が多く、景気底割れはないのだろうと思いつつも金融不安が拭いきれず、買戻しはするものの、積極的に最後まで買い切れずに早め早めに手仕舞ってしまうということのようです。

 個別には1−3月期の赤字決算を発表したモルガンスタンレーが大幅下落、連れてバンクオブアメリカなど大きく下げるものもあったのですが、シティグループは小幅高でJPモルガンチェースは軟調とまちまちとなっています。業績見通しが予想を上回ったとしてボーイングが買われ、同様に予想を上回る決算を発表したAT&Tやサンディスクなども堅調となりました。インテルやIBM、グーグルなども堅調となり、指数を下支えする動きとなっていました。芳しくない決算を発表したのですが、キャタピラーは投資判断の引き上げもあって大幅高となり、マクドナルドは予想を下回る決算を発表して軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株が大幅反発となり買い先行となったのですが、寄り付きの買いが一巡した後は上値の重い展開となり、一時軟調となる場面もあるなどさえない動きとなりました。ハイテク銘柄の一角など輸出関連銘柄の一角や予想を上回る決算を発表した銘柄などが堅調となり、小幅高とはなりましたが、買い気の乏しい展開となっていました。決算発表の本格化を前に持高調整などもあるようで、なかなか買い切れないようです。

 米国市場はまちまちとなり、本日の日本市場は相変わらず方向感のない展開となりそうです。米国発の金融不安が拭いきれないということや決算発表の本格化を控えて買い切れないということなのでしょうが、為替も比較的落ち着いており、決算動向も悪いながらも思ったほどは悪くないというものが多く、売られすぎた銘柄を中心に底堅い展開は見られるものと思います。自動車関連銘柄などを中心に売られすぎた分の水準訂正のような動きは見られるのではないかと思います。

 日経平均は8800円が上値の節目となってしまった感じです。本日の相場でも8800円を抜けて来るのかどうかが注目されますが、下値は8500円から600円の節目を意識して売り叩き難く、指数の方向感がない展開となりそうです。米国での信用不安が拭いきれないうちは上値も買い上がり難く、指数全体の上げ下げと言うよりは決算動向などを見ながら個別の銘柄の動きになりそうです。当面は8500円から600円水準が下値と見られ、最悪でも8200円から300円水準では下げ止まるものと思われます。8800円前後を抜ければ今度は8800円前後が下値になって来るものと思います。

本日の注目点

◇東証1部上場廃止:藤和不動産

◇3月の米中古住宅販売

◇決算・3月期:KDDI(9433)

◇決算・1−3月期:米マイクロソフト、クレディ・スイス、伊フィアット

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