米国株安や円高を嫌気し業績懸念もあって大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年04月08日 16時18分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 8595.01円 ▼237.84円
売買高 23億4728万株
日経平均先物 8580円 ▼280円
売買代金 1兆5058億円
TOPIX 815.26 ▼17.34
値上がり銘柄 249銘柄
東証マザーズ指数 312.47 ▼2.90
値下がり銘柄 1394銘柄
日経ジャスダック平均 1021.86円 ▼3.85円
変わらず 59銘柄
騰落レシオ 123.86% ▼2.92%

日経平均

米国株安や円高を嫌気し業績懸念もあって大幅下落

 米国市場が大幅下落となったことや為替も若干円高に振れたことから売り先行の始まりとなりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系11社ベース)は大幅買い越しと伝えられたのですが、金額ベースでは売り越しとされたことで、寄り付きの売りが一巡したの戻りも鈍いものとなりました。ハイテク銘柄などを中心に売り気配から始まるものが多く、寄り付いた後も戻りの鈍さを嫌気して見切り売りに押されるものも多くなりました。低位株の中には値動きの良さから買われるものも見られましたが、指数に影響の大きな値がさ株は総じて軟調となり、大幅下落で小動きとなりました。

 後場に入ると為替が円高に振れたこともあり、一段安となりました。寄り付きから売り先行で始まり、寄り付きの売りが一巡した後は戻り歩調となったのですが、業績の下方修正などがあったことから決算発表を控えて手仕舞い売りも多く、戻りも鈍いものとなりました。その後も戻り歩調となっては戻り売りや見切り売りに押されるといった状況が続き戻りの鈍さを嫌気してまた見切り売りが出るというような状況でした。最後の最後は手仕舞いの買戻しなどもありましたが、焼け石に水という感じで大幅下落となりました。

 小型銘柄も軟調なものが目立ちましたが、主力銘柄ほど戻っていなかったこともあり、下げ幅も小さいものとなりました。それでも東証マザーズ指数は大幅安に近く、二部株指数や日経ジャスダック平均も軟調となりました。先物も朝方はまとまった売りなども目立ったのですが、後場の寄り後にまとまった売りが見られた以外は指数を動かすようなこともなく目先筋の売り買いやオプションSQ(特別清算指数)算出を控えたヘッジの売り買いが中心となっていたようです。

 米国市場の下落以上に軟調となった印象です。ここまでの上昇もなかなか市場参加者の広がりが見られませんでしたが改めてそれを思い知らされた感じです。目先筋の買戻しが主体で戻った相場という感じで腰の据わった買いが見られなかったのですが、こうしてちょっとした恐怖感や懸念が強まると一気に売られてしまい、ますます買い手が引っ込んでしまうようです。それでもここからは日米の決算動向を見ながら参加者が増えるかどうか、一喜一憂しながら徐々にこなれていくのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 「三川」のような形で高値で十字足をつけて調整となりました。RSIには上値が余地があったのですが、ストキャスティックスは高値圏にあり、いずれも調整を示唆しています。遅行線が雲にサポートされる、あるいは日々線が転換線や基準線のサポートを確認するように下値を試す動きとなって来るのかもしれません。8300円から500円水準で下げ止まるのかどうかがまずは注目されます。

TOPIX

NYダウ

 RSIにもストキャスティックスにも上値余地はあったのですが、遅行線が雲に上値を押さえられて調整となりました。日々線は雲にサポートされており、ここで踏ん張れるのかどうかが注目され、明日も軟調となるようであれば、再び雲の下限でのサポートを確認することになるのでしょう。

円相場

NYダウ

 いったん高値を確認したようにも見えますが、ストキャスティックスは高値圏にあるもののRSIは未だ上値よちがあり、昨年10月のもみ合いの範疇かどうかを試すところです。抜けて来た節目での押し目を確認するところか、それとも上値の重さを嫌気してしまうのか正念場となっています。

銘柄ピックアップ

ほぼ全面安となるなかで買戻しの入った銘柄が底堅く堅調

信越化学(4063) 4690 ▼270

 前日引け後に下方修正を発表、減益予想を嫌気した売りに押され大幅下落となりました。地合いの悪さや円高を嫌気して、悪材料も「織り込み済み」と言うわけにはいかなかったようです。

トヨタ(7203) 3750 △10

 米国株安や円高を嫌気して売り先行で始まりましたが、寄り付きからの売り一巡後は政府の追加経済対策のなかで新車購入の際の補助金支給が取りざたされたことを好感して堅調となりました。

JR東日本(9020) 5250 △110

 前期の鉄道収入がJR各社設立以来最大の減少と報じられましたが、逆に減少幅が他の企業に比べて小さかったことでディフェンシブ銘柄の面目躍如となり、底堅さが確認されると買い戻しを急ぐ動きとなって大幅高となりました。

大林道路(1896) 147 △7

 新聞で下方修正した予想を上回る連結営業利益となると報じられたことや官公庁向け工事の比率が高いことから政府の追加の経済対策を期待し、また、低位株を物色する動きに乗って大幅高となりました。

USEN(4842) 125 △30

 子会社のGyao株をヤフー(4869)に譲渡すると発表、収益圧迫要因となっていた子会社の出資比率低下を好感し、業績回復を期待した買いが集まり、ストップ高となりました。低位株を物色する動き、最低売買単位が低額であることも買いを集める要因となり、ストップ高買い気配での比例配分となりました。

ヤマダ電機(9831) 4760 △260

 追加経済対策の中で、省エネルギー型家電製品の普及を促す新制度を導入すると報じられたことで家電の買い替え需要がふくらみ、家電量販店の収益拡大が期待されて大幅高となりました。同社以外のエディオン(2730)やコジマ(7513)も軟調な地合いのなかで大幅に逆行高となっています。

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