米国株安や円高を嫌気し業績懸念もあって大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年04月08日 16時18分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株安や円高を嫌気して売りが先行、戻りの鈍さや一段の円高進展を嫌気して後場に売りなおされ大幅下落となりました。売買高は増えているのですが、市場参加者が増えたというよりは目先筋の回転が高くなったという印象で、まだまだ本格的な戻り相場となるには時間がかかるのかもしれません。

 昨日は決算発表への反応や投資判断の話をしましたが、決算の動向が判明して来るなかで、判断が分かれているような感じです。アナリストによっては「出尽くし」と見たり、「予想よりもよかった」と見る見方と「まだまだこれから悪くなる」と言う観点から見るのでは同じ決算動向、会社側の反応でも動きが違ってくるようです。

 ただ、一つ言えるのはやはり株価の動きがそうした判断を「結果論として」判別しているのではないかと思います。昨日発表された決算動向などでも、同じように芳しくない業績動向を発表していても売り推奨もあれば買い推奨もあり、そして売り推奨として買われているものは見当たりませんが、買い推奨として売られているもの、買われているものまちまちとなっています。

 空売りがかなり増えているというところを見ても、相場全体の戻りに対しては疑心暗鬼であり、売り推奨は素直に乗れるのですが買い推奨の場合は空売りが積み上がっていれば買戻しで上がるのですが、空売りが少ない銘柄は新規の資金が入っていないだけに買われないということなのでしょう。単純に買い推奨、売り推奨ということだけではなく、目先の需給に大きく影響される相場であることを頭に入れて対処した方が良いのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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