糸井重里さんは、「ほぼ日刊イトイ新聞」(ほぼ日)の中で、著作権・版権とインターネットの関係について、こんなコメントをされている。この発言に、激しく同意だ。
僕は「ほぼ日」という小さなメディアで、直接に読者の声を聞きつづけているうちに、あまり常識的でない、よくいえば新しい考え方をするようになっていた。
「コンテンツの力を信じる」ことが、どんなマーケティングにもまして大切だということだ。
それじゃ、昔からの自称「良心的」出版社と同じじゃないか、と思われるかもしれないのだけれど、かなり違うのだ。
力のあるコンテンツは、まず「基礎票」を持つ。その基礎票が、「ほぼ日」ではアクセスやメールによって、目に見えるようになる。そして、その基礎票がダイナミックに反射しあったり、結合したり、新たなニュースを生み出したりして、「それなりの市場」をつくってくれるのだ。
このように考えると……ジャニーズの著作権・版権を徹底して守るという姿勢は、いずれ破綻(はたん)するのではないかと懸念する。逆の視点から考えると、ジャニーズ事務所は、所属する「1人1人のコンテンツの力」を信じていないから、強硬なのではないかと勘ぐってしまう。
コンテンツの力を信じるとは、社会や視聴者を信じることにも、通じている。商魂とは、結局、何を信じるかにかかっているのだ……。(中村修治)
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