コラム
» 2009年04月08日 07時00分 UPDATE

天下の吉本興業にあって、天下のジャニーズにないもの (1/3)

日本最大級の芸能事務所といえば、「ジャニーズ」と「吉本興業」を挙げる人が多いだろう。両社とも“コンテンツ産業の雄”ともいえるが、実は大きな違いがある。その違いとは……?

[中村修治,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:中村修治(なかむら・しゅうじ)

有限会社ペーパーカンパニー、株式会社キナックスホールディングスの代表取締役社長。昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。


 日本最大級の芸能事務所を2つ答えろと問われれば、みんな「吉本興業とジャニーズ」と答えるだろう。どちらも日本のコンテンツ産業の雄である。しかし、同じコンテンツホルダーでも、大きな違いがある。その違いは、今後、さらに大きな差異になっていく予感がする。

 例えば、このページをご覧いただきたい。小学館の『小学五年生』の表紙と目次が、掲載されている(関連リンク)

 ジャニーズが肖像権に厳しいとは知っている。それを守らなくてはいけない事情も、広告畑で長くビジネスをするものとして分かっているつもりだ。しかし、『小学五年生』の表紙に「Hey! Say! JUMP」を起用することを承諾しながらも、ネット内の掲載を、ここまで管理しているとは……。感心する一方で、これってデメリットも大きいのではないかと心配したりもする。

肖像権&著作権に厳しいジャニーズ事務所

 肖像権&著作権に厳しいジャニーズ事務所は、ネット内でも、その強硬な姿勢を貫く。YouTubeなどの動画サイトでも、その姿勢は揺るがず……徹底した削除が行われる。

 コンテンツそのもの=芸人の肖像権や版権は、守られて当然である。法律的にも、それが認められているのなら、裁判で芸人事務所側が勝つのは仕方ない。流行っては消えていく、芸人の一発ギャグであっても、一般に、(1)人間の知的活動であり、(2)芸人独自の創作によるものであり、(3)言葉によって具現化され、(4)知的活動に当たるもので、(5)文化的な所産に属すると規定すれば、著作権の対象に該当するらしい。

 しかし、吉本興業は、そういう著作権や版権を守ることにあえて躍起にならない。YouTubeなどは、野放し状態ではないかと思えるくらい、緩いっ。むしろ反対に、2007年8月にはYouTube日本語版の国内パートナーとして名乗りをあげ、同年11月末からはニコニコ動画内に「よしよし動画」を立ち上げたりもしている。番組制作に欠かせないコンテンツの権利者でありながら、その地上放送局が敬遠しているようにも映るコンテンツのネット配信も積極的に推進している。

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