米国株高や円安を好感して大幅高だが目先的な過熱感もあり上値も限定的清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年04月06日 16時17分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 8857.93円 △108.09円
売買高 24億5937万株
日経平均先物 8890円 △160円
売買代金 1兆5444億円
TOPIX 830.97 ▼0.39
値上がり銘柄 754銘柄
東証マザーズ指数 316.13 △3.96
値下がり銘柄 849銘柄
日経ジャスダック平均 1026.22円 △1.42円
変わらず 98銘柄
騰落レシオ 120.61% ▼4.40%

日経平均

米国株高や円安を好感して大幅高だが目先的な過熱感もあり上値も限定的

 週末の米国市場が芳しくない経済指標の発表にもかかわらず堅調となったことや為替が円安に振れたことから買い先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系11社ベース)は買い越し一巡となってしまったのですが、シカゴ市場(CME)の日経平均先物が大きく上昇していたこともあり、輸出関連銘柄を中心に買い気配から始まるものも多く見られ大幅高となりました。円安が日本時間で進んだのですがさすがに目先的な過熱感や日経平均が心理的な節目と見られる9000円を意識したところでは上値も重く、大幅高ながらも上値も限定的となりました。

 銀行株や不動産株など内需銘柄の一角は軟調なものが目立ちましたが後場も買い先行となりました。ただ、物色対象が広がらず輸出関連銘柄だけでは指数を押し上げる力も限定されて9000円を抜けませんでした。節目で上値を押さえられたとなると目先筋の手仕舞い売りもかさみ徐々に上げ幅を縮小、内需銘柄ばかりではなく輸出関連銘柄にも値動きの悪い銘柄が散見され始めてじりじりと上げ幅を縮小、為替も円安一服感も出て結局は堅調ながらも本日の安値圏での引けとなりました。

 小型銘柄は主力銘柄に目先的な過熱感が目立つなか、出遅れ感や幕間つなぎとして物色されるものもあり、堅調なものが多くなりました。東証マザーズ指数は大幅高、二部株指数は堅調、日経ジャスダック平均は小幅高となりました。

 景気底入れ感、株価の底入れ感も強まっているのですが、さすがに目先的な過熱感は否めないようです。主力銘柄、特に輸出関連銘柄の戻りが大きいのですが、戻りの鈍さが見られるとすぐに売られ、また、値動きの悪い銘柄は乗り換えの対象となり、ますます売りがかさむようです。下値での買いはあるのですが、買い疲れ感、手詰まり感から幕間つなぎとして低位銘柄が物色されています。あくまでも目先的な動きと見られ、9000円を抜けて来るにはもう少し物色の広がりが必要、新規資金の流入が必要と言うことでしょう。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 戻り高値更新となったのですが、上に放れたところで「気迷い線」となっており、明日の寄り付きが軟調となるといったん押し目を探る展開となる可能性が高くなります。遅行線が雲を抜け、ストキャスティックスは高値圏ながらも上値余地も若干あり、RSIも下げ足りないところからの反動ですが、上値余地もあり、まだ強含みの展開が続くものと思われ、いったん調整となっても遅行線が雲の下落に合わせるような動きで日々線が雲にサポートされるところでは底堅さも見られるものと思います。

TOPIX

NYダウ

 遅行線が雲に上値を押さえられて上に抜け切れない感じです。RSIやストキャスティックスには上値余地もあり、強含みではあるのですが遅行線が雲を抜けるまでは上値の重い展開が続くのでしょう。

円相場

NYダウ

 一気に抜けて来ました。上値目処と見られる水準であり、この水準(1ドル=101円前後)でのもみ合いから次の方向を探る展開となりそうです。昨年10月の水準で上値も重くなってきそうです。RSIやストキャスティックスの水準も高く、達成感も出て、いったんは下値の底堅さ、1ドル=100円台を固める動きとなるのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

引き続き米国株高や円安を好感し輸出関連銘柄が堅調

トヨタ(7203) 3740 △40

 自動車販売に底入れ感が出ていることや円安を好感、ハイブリッド車購入の補助金制度が導入されるとの新聞報道などもあり、連日の一時大幅高となりました。買戻しを急ぐ動きもあり、買い方の回転も効いて堅調となりました。

新神戸電機(6934) 669 △100

 環境問題から電池関連銘柄が注目されるなかで、リチウムイオン電池の生産能力を15倍に引き上げると発表、電池需要の根強さを改めて見せ付けられる格好となり、ストップ高となりました。

JR東日本(9020) 4860 ▼120

 取り立てて悪材料が出たわけでもないのですが、高速道路料金の引き下げなどで「鉄道利用者の減少」が懸念されて値動きが悪く、その値動きの悪さに嫌気して輸出関連銘柄などへの乗り換えの対象となり下げ幅を大きくしました。

パナソニック(6752) 1242 △28

 円安、米国株高に加え、大手国内証券が投資判断と目標株価を引き上げたことを好感してまとまった買いも入り、大幅高となりました。

TOWA(6315) 174 △ 31

 相場全体の過熱感や達成感もあって手詰まり感が強いなかで、値動きの良い低位株を物色する動きの一環として目先筋のまとまった買いが入り、一時ストップ高となるなど大幅高となりました。

三井住友FG(8316) 3610 ▼50

 金融不安は薄れたものの収益面での下振れを懸念して売られました。下値では買戻しもあり底堅さも見られるのですが、相場全体の過熱感もあり、収益面での不安が売りを急がせたようです。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.