8月29日、全国の牛丼ファンとキン肉マンファンに衝撃を与えるニュースが報じられた。ゼンショーグループの「すき家」と「なか卯」が、キン肉マンとタッグを組んでキャンペーンを行うと発表したのだ。
これは、キン肉マンの連載開始29(にく)周年を祝うキャンペーン。すき家&なか卯で牛丼などを購入するとスクラッチカードがもらえ、当たりが出るとキン肉マンTシャツなどが手に入るという企画だ。キャンペーンは8月28日から始まっており、すき家では9月7日まで、なか卯では15日までスクラッチカードが配布される。
キン肉マンの食べる牛丼というと、吉野家を想像する人が多いはず。マンガでも、「吉野屋」(吉野家ではない)という店が出てきたり、吉野家のCMソングを登場人物が歌っていたりする。
なぜ今回、キン肉マンがすき家&なか卯と組むことになったのか。その理由として原作者の嶋田隆司氏(ゆでたまご・原作担当)は「牛丼を初めて食べたのは、(大阪府)住之江の粉浜にあったなか卯だった」ことを挙げた。牛丼を食べながら、相棒の中井義則氏(ゆでたまご・作画担当)とキン肉マンの構想を練ったという。
なるほど、それなら連載を始めてから29周年、牛丼を初めて食べてから29周年ということで納得できる。では、嶋田氏が牛丼を食べた店はまだ残っているのだろうか? 会見後、ゼンショーの広報担当者に「嶋田さんが最初に牛丼を食べた店はどこでしょうか」と尋ねてみた。すると、「実はもう残っていないんです。古いことで記録も残っていないので、どこにあったかという詳しいことも分からないのです」との回答だった。
キャンペーンを主催する根幹の理由にも関わらず、記録が残っていないというのはどういうことなのだろうか。もしかすると、嶋田氏が「初めて牛丼を食べた店がなか卯」と語ったのは、すき家&なか卯と手を組むためについた嘘なのだろうか。スポーツ選手がビジネスライクに他球団に移籍するように、キン肉マンもマーケティング戦略の一環で吉野家からすき家&なか卯へと鞍替えしてしまったということなのだろうか。
これは真相を明らかにしなければならない。そこで、関西に実家がある筆者は、帰省するついでに大阪市の住之江区を訪れ、嶋田氏が初めて牛丼を食べた店を探すことにしたのだ(なぜか取材費は出なかった)。
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