新築と中古、住宅購入に必要な“価格”以外のお金って?――初期投資で比べてみる2-1.住まいの選択、完全理解!(1/2 ページ)

» 2008年08月19日 10時20分 公開
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「住まいの選択、完全理解!」とは?

人の暮らしに欠かせない「衣食住」の中の1つ、「住まい」。人のライフスタイルが様々になったように、住居形態や住み方にもたくさんの選択肢が増えました。でも、あなたは自分に本当に合う住居スタイルをすぐにイメージできますか?  本連載では、住まい選びをする際のお手伝いとなるポイントをまとめていきます。

※本記事はHOME'S CLUBが執筆しています。本記事のテーマに関連するさまざまな調査結果や、住まいにまつわる一般の声についてはHOME'S CLUBの「住まいの選択、完全理解!」で読むことができます。


新築よりも、マンション価格以外にいろいろかかる中古住宅

 「女房と畳は新しい方がいい」と昔の人は言いました。しかし最近は「何にしろビンテージの方が味がある」と言う人も。住まいでいえば、“新築”と“中古”。住宅の場合、果たしてどちらがいいのでしょうか?

 まずは東京23区内のマンションを例に、新築と中古の初期費用を比較してみましょう。

価格は500万円違うのに、初期投資では意外に差が出ない

 新築マンションが4000万円で中古マンションが3500万円。価格で500万円の差があるにもかかわらず、初期投資の差はごくわずか。少々意外な結果ではないでしょうか。一番大きな原因は、中古の購入で必要になる「仲介手数料の存在です(参照記事)。個人の売り主から住宅を購入する場合、普通は取引を仲介する不動産会社を間に立てるもの。すると、物件価格の3%+6万円の手数料がかかってくるのです。事例では111万円。

 では、個人の売り主と買い主同士、当事者だけで契約を結べばこのお金は節約できるのかといえば、手続きは面倒ですし、後で瑕疵(かくれた欠陥)が見つかった場合にはトラブルが起きる可能性もあるので、おすすめはできません。決して安くはないですが、中古不動産を売買する時の必要経費です。しかし、賃貸の仲介手数料では通常の半額や4分の1という不動産会社も珍しくないので、売買の場合でも下がってくるとうれしいのですが……。

 修繕積立基金などの管理に関わる基金は、中古の場合、普通は徴収されることはありません。ただし、売り主が修繕積立金や管理費を滞納していると話は別で、新たな買い主が支払う契約になることが多いので要注意です。

首都圏の中古住宅市場は、他地域の新築並みの価格

 平成18年度住宅市場動向調査報告結果の「中古住宅の調査結果」に、住宅購入資金の内訳があります。これによると、3圏全合計の平均の購入価格は2,266万円で、そのうちの自己資金は936.9万円だとか。1,300万円ほどが住宅ローンということですから、自己資金率は41.3%。20%が目安といわれる自己資金ですから、これはなかなか健全な状態といえそうです。

 ところが、首都圏だけは中古の物件価格もローン借り入れ金も、突出して高額です。それぞれ3094万2000円、1822万8000円で、中京圏や近畿圏の平均購入価格が2000万円を切っているのとは対照的な結果を示しています。ちなみに3000万円といえば、首都圏以外では新築の価格帯。それだけ首都圏がまだ景気がいい証拠と見ることもできますが、中古の物件数自体はむしろ首都圏の方が飽和状態ともいえますから、まだまだ高い買い物をさせられているという見方もできます。やはり土地の価格が高すぎるようです。

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