まずはやってみよう――第1回 そもそも為替取引って何?1-1.FXの基礎講座(1/2 ページ)

» 2008年08月01日 08時00分 公開
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 最近、FXに関心を持つ人が目立って増えている。すでにFXを始めている人に聞くと、「ものすごくもうかった」「大損をした」という話も耳にする一方で、「長期で運用するつもり」という人もいる。

 このようにFXは投資商品の中でも取引の自由度が高く、人それぞれ、自分に合ったスタイルで取引できることが大きな魅力となっている。リスク管理の手法も整っており、大きな利益を狙えばリスクも高まるが、長期運用を目的にリスクを抑えた取引も可能だ。だからこそ、大もうけのチャンスにかけて大損する人もいれば、逆に、じっくり殖やす道を選ぶ人もいるのだ。

 そこで「FXがどんなものだかきちんと理解したい」「これから自分もFXを始めてみたい」という人のために、FXの仕組みやその魅力、取引方法などを紹介してみよう。

 FXとは、「Foreign Exchange」の略で、「外国為替証拠金取引」のこと。要するに、日本を含めた世界の通貨を、「証拠金」を使って売買する投資商品の1つである。なんだか難しそうに聞こえるが、基本的な部分を押さえておけば、取引の仕組み自体はシンプルで、初心者にも比較的分かりやすいとされている。


そもそも為替取引って何?

 FXを始める前に、まずは「為替」について説明したい。というのも、「為替」は基本中の基本。FXをはじめ、外貨預金や外貨MMFなど、あらゆる外貨建て商品を取引する上での最大のキーワードとなっているからだ。

 そこで、ここでは為替の意味と仕組みについて説明していこう。

1.そもそも為替取引って何?

 「為替」とは、円と米国のドル、円と英国のポンドなど、異なる通貨を交換すること。為替にはもう1つ別に、小切手や郵便為替など、現金以外でお金を決済するという意味もあるが、ニュースや新聞で為替といえば、通常は外貨をやりとりする「外国為替」を指すのが一般的だ。

 この為替の仕組みで通貨を取引することを「為替取引」という。つまり、外国の通貨(外貨)を売り買いすることであり、外貨預金や外貨MMF、FXなど、外貨を売買する商品はすべてこの「外国為替取引」といえるのだ。

2.為替はなぜ動く?

 外貨を一種の"商品"と捉えるならば、商品には当然、値段がある。この外貨の値段のことを「為替レート」といい、為替レートは刻々と変化する。例えば1ドルが100円のときもあれば120円のときもあるといった具合だ。

 ではいったい、この為替レートはどのようにして決まるのだろうか?

 為替レートが変動する理由にはさまざまな要因があるが、ひとことでいえば、モノの値段が需要と供給で決まるように、為替レートもその外貨の需要と供給で決まるといっていいだろう。もっと分かりやすくいえば、人気がある外貨は為替レートが上がり、人気のない外貨は為替レートが下がる。

 この外貨の人気を左右する最も大きな要因が「景気」である。景気を見るための1つの指標に金利がある。なぜなら、景気が良い国の金利は上がっていく傾向にあるからだ。高金利の通貨は魅力があるから価値も上がり、為替レートも上がる。また、景気が良い国の商売や投資は魅力的であるため、その国の通貨の需要が増えることになる。このように人気が高まると、ますますその国の通貨の値上がりを期待した需要が高まっていくのである。

 為替レートの動きは「円高・円安」という言葉で表される。例えば、1ドル120円が100円になると、1ドルのモノを手に入れるために120円かかっていたモノが100円で済むことになる。つまり、これは円の価値が上がっているということなので、「円高」と言い、この逆が「円安」となる。数字が「小さく」なるのに「高く」なるという表現は、普通の感覚と逆なので違和感があるため慣れが必要だろう。

日本銀行のデータを基に作成
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