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加盟店にとって、スマートプラス導入のメリットとは――UFJニコス(中編) (1/2)

ビザ・インターが採用した非接触ICを利用した決済スキームがスマートプラスだ。UFJニコスの加盟店戦略はどのようなものなのだろうか。また加盟店側にとって、スマートプラスを導入するメリットはどこにあるのだろうか?
2006年07月27日 05時37分 更新

 ビザ・インターナショナルが「VISA TOUCH」の決済スキームとして採用したことにより、俄然注目度が上がっているのが、UFJニコスのクレジット決済サービス「スマートプラス」だ(6月12日の記事参照)

 スマートプラスの特徴や目的について訊いた前編に続き、スマートプラスを導入することによる加盟店のメリットや、どのような選択基準で加盟店を決定しているのかについて、UFJニコスIT事業部部長の鳴川竜介氏に話を聞いていく。

ay_ufj01.jpg UFJニコスIT事業部部長の鳴川竜介氏

UFJニコスの加盟店戦略とは?

 UFJニコスでは、どのような店舗にスマートプラスを導入してもらおうと考えているのだろうか。鳴川氏は、2つ方向性を挙げる。1つは「スマートプラスを入れる必要がある店舗かどうか」、そしてもう1つが「提携カード」だ。

 「現在の非接触IC決済の仕組みは、クレジットカード側のICチップも、リーダー/ライターの面で見ても、通常のクレジットカードのビジネスに比べて投資効率が悪い。その高いコストをかける理由は何かというと、“新しい市場を取れる見込みが大きい”から。新しい市場を取れるのであれば、高いインフラに投資する理由があるだろうというのが我々の考え方」と鳴川氏は話す。「“新しい市場=現金市場”ととらえられがちだが、我々はそう考えていない。カードの対象になる価格帯の店舗でも、カード決済の時間が問題になりカード決済を導入できなかった業態もある」

 今までクレジットカードが使われていなかった新しい市場になるかどうか、UFJニコスではそれを大きく3つに分けて考えている。スマートプラスを導入する効果が出ると見るのは「コア市場」「周辺市場」「顧客利便性向上市場」の3つであり、それ以外には基本的に導入しない方針だという。3つのどこに含まれるかを決めるのは、“店舗にとって非接触IC決済を入れる意味があるかどうか”というポイントだ。

 導入の効果が最も見込めるコア市場について、鳴川氏は「食料品スーパーとドラッグストアが中心」と断言する。「店舗は、加盟店手数料を支払ってカードの仕組みを導入することになる。店舗にとって、加盟店手数料を払ってでも得られる代価がなければ、導入する意味がない。スーパーやドラッグストアには導入する意味がある」(鳴川氏)。

 “導入する意味”とは、すなわち客単価を上げることだ。例えば食料品スーパーでは、クレジットカードを使うと、一般に現金払いの1.5倍の客単価が見込めるという。「同じすき焼きをするのに、現金の持ち合わせを心配しなくてよければ、ただの牛肉が米沢牛になるかもしれない。クレジット払いには、そういうメリットがある」(鳴川氏)

ファミレスにスマートプラスを入れる意味とは

 周辺市場とは、コア市場を補完し、相乗効果を見込める店舗のことで、ガソリンスタンドやファミリーレストラン(3月3日の記事参照)、書店といった業種がそれに当たる(2月22日の記事参照)。すでにクレジットカードを導入している業態が多く、クレジットカード会社にとって、コア市場のスーパーやドラッグストアほどのカード新規利用増加は望めないが、これまでクレジットカードが入り込めなかった新しい市場であり、導入することで店舗売り上げの拡大が期待できる市場、という判断である。

 例えばファミリーレストランなど外食産業では、クレジットで払おうと現金で払おうと、人が食べる量は変わらないので客単価は変わらないが「普通、給料日後にはお客が増えるが、だんだん減っていく。しかしクレジット払いなら、給料日前でも外食しようという気になる。客足が安定する効果があるわけです。非接触を導入することで、クレジットカードを気軽に使えるようになれば、このような効果も大きくなると思う」(鳴川氏)

 もう1つの“顧客利便性向上”市場とは、例えば高速道路のSA・PAやコンビニエンスストア、自動販売機などが相当するという。カード会社にとってのメリットというよりも、顧客利便性の向上のために取り組む市場である。スマートプラスを導入することによってユーザーにとっての利便性が上がるため、UFJニコスとしてもサービスとして取り組む必要がある、と見ている分野だ。

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[吉岡綾乃,ITmedia]

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