「おはようございます」「おはようございます」
登校する生徒達が、立ち止まり、一礼して挨拶をする。今年4月に開校したばかりとはいえ、西の名門である立命館大学の附属小学校。児童達はみな、元気よく礼儀正しい。
そして立命館小学校の朝の風景は、ここからがユニークだ。子ども達は玄関ホールの両側に設置された4基のリーダー/ライターまで走り寄り、自分の児童証を“ピッ”とかざす。
「開校したての頃は、登校しても(児童証を)かざすのを忘れてしまう子どももいたのですが、今はみんな慣れましたね。もうすぐ児童達がたくさん登校してくるのですが、そうすると列ができますよ」
児童たちの挨拶を受けて、1人1人に声を掛けながら、立命館小学校の後藤文男校長が笑った。
京都市北区にある立命館小学校は、今年4月に誕生したばかりの新設校。上には立命館の各附属中学と高等学校があり、立命館大学・大学院まで続く。初等教育から高等教育までの一貫教育制度を実現しているのがポイントだ。
さらに立命館小学校は、IT技術やサービスを学校運営や教育に取り入れていることも注目である。今回、筆者が取材したのはFeliCaを使った児童証システムであるが、他にも立命館小学校では、マイクロソフトのOrigamiこと「Ultra-Mobile PC」(特集参照)を授業に取り入れるなど、先進分野の取り組みに積極的だ。
現在、立命館小学校の児童証は2種類ある。ひとつはノーマルタイプの「FeliCa」を用いたもので、登下校の管理のみを行うタイプ。そして、もうひとつがスルッとKANSAIのポストペイ型乗車券「PiTaPa」(4月10日の記事参照)を用いたもので、こちらは登下校管理のみでなく、そのまま駅の改札でかざせば電車に乗ることができる。後払い方式なのでチャージをする必要はなく、子ども料金で、利用実績に応じて自動的に最適な割引料金が適用されるのもポイントだ。例えば、7月など夏休みで利用日数が少ない月は、プリペイドの定期券を買うと損をするが、PiTaPaならば自動的に回数券相当の割引率になる。
立命館小学校は私立校ということもあり、電車で通学する児童が多い。そのため大半の子どもたちが、後者のPiTaPa児童証を使っている。
立命館小学校の玄関ホールには、両側壁に4基のリーダー/ライターが設置されているが、朝の登校ピーク時には子ども達が“ピッ”をするために列を作る。とはいえ、かざすだけなので、今のところ混雑するというほどではない。
「今は(設立したばかりなので)3学年しか児童がいないのです。しかし、来年度から子ども達が進級し、新入生が入ってくれば児童数が増える。リーダー/ライターの増設もしなければ」(後藤氏)
今後の計画としては、子ども達の導線をスムーズにするため、靴箱の前にリーダー/ライターを増設するプランを考えているという。
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