立命館小学校がFeliCa / PiTaPa児童証を導入した背景にあるのは、子どもの安全に対するニーズの高まりがある。特に私立小学校では、低学年の子ども達が電車を乗り継いで登校してくる。親の不安は無視できない。
そこで保護者が安心できるサービスとして、児童達がFeliCa / PiTaPa児童証を学校でかざすと、自動的に親の携帯電話に「通学状況レポート」としてメールが送られる仕組みが用意されている。また、その一方で、学校側の出欠管理システムでも出席が確認できる。
児童が欠席する場合は、あらかじめ保護者からFAXで学校側に連絡することが義務づけられている。子ども達の登校が始まる前には欠席の登録が終わっているため、「子どもがきちんと登校したか」学校側も保護者もすぐに分かるのだ。
さらにPiTaPa児童証では、学校の登下校確認だけでなく、駅の入退場や乗り換え状況が、学校側で確認できるようになっている。例えば、子どもが乗り継ぎに失敗したり、下車駅を間違えたりしても、駅改札に児童証をかざした段階で居場所がわかるという。
社会環境の変化の中で、子どもの安全と保護者の安心は重要なキーワードになっている。その中で立命館小学校の児童証システムは、FeliCaが安心・安全分野でも大いに役立つことの好例だと言えるだろう。特に、スルッとKANSAIのPiTaPaを使った「学校と公共交通の連携」は、FeliCaプラットフォームの広がりと可能性をうまく使ったソリューションである。
関東でも、JR東日本のSuicaが公共交通分野のFeliCaプラットフォームとして普及しているほか、今年度には多くの学校を沿線に抱える私鉄各社がPASMOを開始する。FeliCaを軸にした「学校×公共交通」の連携ソリューションが実現しやすい土壌ができている。
子どもの安全はすべての親の願いであるだけでなく、少子化の中で社会全体の最重要なニーズである。私立校もちろん、公立校においても、公共交通をはじめとするFeliCaの広がりを積極的に活用して欲しいと思う。
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