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Interview:

家電やPC、ロードサイドへ進出するEdy――ビットワレットに聞く(後編) (1/2)

店頭だけでなく、ネットやデジタル家電などさまざまな場所で使える通貨に……Edyの使える場所を増やすべく、ビットワレットはどのような戦略を持っているのか。また、チャージの問題についても聞いた。
2006年05月31日 18時46分 更新

 FeliCaを使った電子マネーの古参として、着実に成長するビットワレットの電子マネー「Edy」。前編に引き続き、ビットワレット執行役員の宮沢和正氏に、Edyの成長戦略について聞いていく。

ay_edy.jpg ビットワレット執行役員の宮沢和正氏

家電分野にもEdyを広げる

 インテルの投資を受け、ビットワレットは今後、EdyのPC分野への進出にさらに力を入れていく。特に成長する音楽配信ビジネスには期待しており、すでにレーベルゲート「mora」オリコン「ORICON STYLE」ニフティの「MOOCS」など多くの音楽配信サービスにEdyは進出している。「今後は(iTunes Music Storeを持つアップルの)MacOS対応も視野にいれていきたい」(宮沢氏)という。

 一方で、デジタル家電などノンPC分野へのEdy展開にも、ビットワレットは動き出している。

 「今後はCE分野にも積極的に対応していきたいと考えています。その1つの例が、今年4月25日にソニーコミュニケーションネットワーク(SCN:So-net)が発表したVOD(ビデオ・オン・デマンド)用のセットトップボックスでのEdy対応です(4月25日の記事参照)。このVODシステムでは、ブロードバンド回線を使った家庭用テレビ向けの映像コンテンツ購入にEdy決済が利用できます。当面はこういったセットトップボックスでの対応がメインですが、将来的にはテレビにリーダー/ライターが入り、そこにEdyを入れていく展開などを考えています」(宮沢氏)

 ブロードバンド普及率が上がり、中でもFTTH利用率が上がってきたことで、テレビなど家電向けのVODへの期待は高まっている。しかし、そこで課題になっているのが決済方法だ。PCで一般的なクレジットカード利用は、家電でのカード情報の入力が面倒であることと、利用者層の裾野が広いことから、VODではなじまない。

 一方で、Edyならばリーダー/ライターさえあれば“かざすだけ”で使える上に、現金ライクな使い勝手なので幅広い利用者層が見込める。

 「テレビを見る方すべてに、クレジットカード番号や個人情報を(テレビリモコンから)入力してくださいというのは無理がある。その点、Edyならば“かざすだけ”で使えます。家電とEdyの相性はすごくいいのです。将来的には、テレビのリモコンにリーダー/ライターが内蔵されるといいですね。手元で決済が完了してしまいますから」(宮沢氏)

「どこでも」と「誰でも」の強み

 リアル側、そしてPCとノンPCでのネット決済。Edyは急速に「使える場所」を広げており、これがEdyの大きな強みになっていると、宮沢氏は強調する。

 「我々が掲げる『どこでも』は、電子マネーにとって重要な要素です。全国、そしてリアルとネットの両方で均一なサービスを提供していて、そこから膨大なデータが集まってくる。『決済ができる』という点だけでなく、広範囲で『マーケティングができる』という部分が重要だと、我々は考えています」(宮沢氏)

 ドコモと三井住友カードが展開する「iD」などのクレジット決済サービスも全国展開を進めているが、先行したEdyの方が、全国チェーンでの採用から地域密着のスーパーまで、現時点でリードしているのは事実だ。さらにEdyはCRM機能を強化しているため、“決済+α”の導入効果を出しやすい。

 さらに宮沢氏は、台頭するクレジット決済サービスに対する、「プリペイドのよさ」を説く。「未成年者からお年寄りまで誰でも持てるというのが、(プリペイドのEdyの)ポストペイとの違いです。ここに1ヶ月に100万人規模で増える(利用者の)大きな広がりがあります」(宮沢氏)

 また、Edy採用事業者の多くが指摘するのが、現金に近い「プリペイド方式」が予想以上に利用者の感覚に合っている点だという。チャージした分しか使えないのは、裏を返せば「いくら使ったのかユーザーが実感できる」ことに繋がる。それを“健全な金銭感覚を失わない”美点として、好む利用者も多いという。

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