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2005/08/26 03:57 更新

塩田紳二のモバイル基礎講座 第8回:
OFDMとは何か?2 (1/4)

次世代通信技術と目されているOFDMには、ほかの通信方式と比べてどのようなメリットがあるのでしょうか? ガードインターバル、グレイコードについても説明します。

 OFDMはIEEE 802.11a/gといった無線LANや、ワイヤレスUSBなどに採用されている変調方式です。携帯電話の世界でも次世代通信技術として注目されており、HSOPAや3.9Gと呼ばれるスーパー3G、4GではOFDMを使うことになるのではないかと見られます(6月17日の記事参照)

 前回説明したとおり、OFDMは複数の搬送波にを使ってデータを送信する、マルチキャリア通信の一種です。これにはどんなメリットがあるのでしょうか?

OFDMのメリット

 マルチキャリア方式は、それぞれが別々の周波数になっているため、占有する帯域が大きくなってしまうという問題がありました。このため、これまではあまり利用されてきませんでした。逆にいうと、キャリア同士の間隔を狭めることができれば、全体の占有帯域を小さくすることができるわけです。OFDMは、これを実用化したものです。

 マルチキャリアにより同時に多数のビットを送ることができるOFDMには、ほかにもメリットがあります。1つは、複数ビットを同時に送るために、各キャリアで送る信号のビットレートが小さくなり、伝送時の影響を受けにくくなることです。

 ビットレートとは、1秒間に送信するビット数のことです。OFDMなどのマルチキャリア通信では、複数のキャリアを使うため、有線でいえば、複数のケーブルを使って送信するのと同じです。例えば10kbpsの情報を2つのケーブルに分けて送れば、1つのケーブルが送信するのは5kbpsになります。

 ビットレートが低いと、1つのシンボルを表す信号の時間が長くなります。ビットレート=1秒間に送るビット数ですから、例えば10bpsでは1秒で10ビットを送ります。1ビットの送信に必要な時間は、

 1[秒]÷10=0.1秒

になります。同様に10bpsよりも速い20bpsでは、

 1[秒]÷20=0.05秒

です。つまり、ビットレートが低いほうが、1ビットを送信する時間は長くなるのです。

 このため、時間的に変化する伝送経路での影響を受けにくくなります。例えば瞬間的に発生する短いノイズよりも、1つのシンボルを表す時間が長ければ、ノイズに消されることはありません。

 また、特定の周波数に現れる影響があるときも、複数のキャリア周波数を使うOFDMなら、全体がダメになってしまうことがありません。

 実際のデジタル通信では、もともと伝送経路で発生するエラーなどの対策が行われています。音声データであれば、エラー部分を無音にしたり、そうでなければ、再送信などの手順を使うことがあります。

ガードインターバルを使う理由

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