機内のWi-Fiシステムは順次アップデートされている。実はサービス開始当初、メッセンジャーサービス「LINE」は利用対象外だった。「主にメールの利用を想定していました。でも、想像以上に『LINEは使えないのか』という声が寄せられました。そこでJAL独自に拡張を行い、2013年12月からLINEのメッセージが使えるようにしました」(江幡氏)
なお、機内の無線アクセスポイントにはWPAなどによる暗号化を施していない。飛行機という特殊な環境ではあるが、機内で盗聴をされる可能性はゼロではない。そのため、座席にあるパンフレットでは通信の安全性確保のためにVPNの利用を呼び掛けている。重要な通信を機内から行うには必ずVPN環境を用意したい。
JALは、2014年7月から「JAL SKY NEXT」と名付けて、国内線で使う全77機の機内サービスやインテリアを順次刷新する。このタイミングで国内線仕様のJAL SKY Wi-Fiが導入される。
機内では、自分のスマホやタブレットを使って、ストリーミングビデオや観光情報といった、機内エンターテインメントが無料で利用できる。国内線で使う飛行機には座席モニターがないため、その補完の意味が込められているそうだ。
利用料金は、国内線、国際線ともに1フライトの間利用できる定額プランを用意している。利用時間や通信量による制約がないのはうれしい。「JAL SKY Wi-Fiは機内インフラだと考えています。利用料で収益を出そうとは思っていません。利用者の使いやすさを考えて、従量制ではなく定額制を選びました」(江幡氏)
なお、国際線では主に長距離路線からサービス提供路線の拡充を進める。ただし、最新鋭のボーイング787は、機体がカーボン製という特徴からアンテナ設置の検証が必要となるため、導入が遅くなるようだ。
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