新しいことにチャレンジするには、新しい発想が芽生える環境が必要ベンチャー企業オフィス100選【フューチャースコープ編】(2/2 ページ)

» 2013年09月24日 12時03分 公開
[オフィス通信]
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多目的使用が可能なように工夫されたカフェスペース

 旧オフィスのDNAを脈々と受け継ぐ新オフィスの真っ赤なエントランスボードは、同社のコーポレートアイデンティティー(CI)戦略を具現化している。旧オフィスを知らない来客には新鮮な驚きを、知っている来客には一種の安心感とともに、さらなる期待を感じさせるに違いない。

 エントランスを抜けると、右手の壁にはやや色調の異なる赤。中央の額には書が掛けられ、力強い筆致で「笑」と書かれている。笑いのあふれる明るいオフィスは、成長企業に欠かせない若々しく明るい社内環境を思わせる。そして、左手には、これも旧オフィスのDNAを受け継ぐカフェスペースが設えられている。

 「こうしたカフェスペースは、前回のオフィスのときから導入するようにしています。ミーティングスペースとして仕事にも使えるし、その名の通りカフェとして、休憩スペースにも使えるのが特徴です。ここで昼食を摂る社員も多く、非常にうまく活用されていると思います」(冨永氏)

 カフェスペースは、来客者の応接間、簡単な会議や雑談・休憩にも使える配置になっている。そこには、雑誌、新聞、漫画やボードゲームなどもおかれており、遊び心を大切にする 同社ならではのこだわりが感じられる、非常に居心地の良い環境となっているようだ。


カフェスペースの奥に設置された大人数用のミーティングルーム(左)、カフェスペースは社員の昼食やコミュニケーションの場にも活用(右)

 「カフェスペースの奥と、反対側はクローズドのミーティングルームになっています。会議の目的や内容などによって、オープンなミーティングスペースとうまく使い分けることができるように考えています」(冨永氏)

より多くの優秀な人材を確保するため、早くもオフィス移転も計画中

 執務エリアに入ると、正面に見えるガラス張りの社長室に向かって足元にレッドカーペットが真っすぐ伸びている。重要な来客はここを通って社長室内のミーティングテーブルへ案内されるが、その際、左右の執務デスクで行われている作業を間近で見ることになるが、冨永氏は「お客様には、ぜひご覧いただきたいと思っています」と語る。

 本誌取材の行われたのは6月初頭、同社の移転から4カ月弱の時点である。だが、早くもオフィスに手狭感を覚えており、今後さらなる業務拡張も計画していると冨永氏は言う。

 「もともとこのオフィスでは130人くらいまでが収容の限界です。当社の増員計画から考えますと、あと3年はおろか2年でもこのオフィスでは無理でしょう。おそらく1年後には、次の移転ということも視野に入れて動いていると思います」(冨永氏)

 グループ会社が複数入居している現在のビルから離れるのはあまり歓迎できる事態ではないようだが、現状では別フロアに空きがないというだけでなく、複数のフロアにオフィスが分割されることは「それはそれで問題が発生すると思う」というのが冨永氏の考えだ。いずれにせよ、そう遠くない時点で、同社のオフィスはふたたび新たな局面を迎えることになるに違いない。


社長室を背に執務エリアを見渡す。天井の高さと大きく取った窓が明るいオフィス空間(左)、社長室は重要な来客の応接室兼ミーティングスペースとして活用(右)

 「今後のことも含めて、当社では優秀な人にどんどん入ってきてほしいと思います。私たちは新しいことにチャレンジしている企業なので、それにふさわしいオフィス環境を目指しています。そのためには、新しい発想が芽生えるようなオフィス空間でなければならないと考えています」(冨永氏)

※本記事は、オフィス通信で掲載された記事を一部修正し、転載したものです。(執筆:浦上史樹)

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