新しいことにチャレンジするには、新しい発想が芽生える環境が必要ベンチャー企業オフィス100選【フューチャースコープ編】(1/2 ページ)

フューチャースコープの新オフィスは、同社のコーポレートアイデンティティー(CI)戦略を具現化している。旧オフィスを知らない来客には新鮮な驚きを、知っている来客には一種の安心感とともに、さらなる期待を感じさせるに違いない。

» 2013年09月24日 12時03分 公開
[オフィス通信]

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本記事は「オフィス通信」で掲載した記事を一部抜粋・編集して掲載しています。


 各種ソーシャルゲームをはじめとする、インターネットを利用した各種コンテンツおよび情報配信サービスを提供するフューチャースコープ。同社は2013年2月12日、本社を道玄坂上の「渋谷プライムプラザ」11Fに移転した。

 同じ渋谷区の桜丘町にあり真っ赤な壁が印象的だった同社の旧オフィスは、映画やテレビドラマのロケに利用されるなど、さまざまなメディアを通じて露出されてきたが、今回の新オフィスはそれをさらに上回るスケールとなっている。2006年に同社を立ち上げ、今春第8期を迎えた代表取締役社長・冨永政雄氏は、移転後の真新しいオフィスのガラス張りの社長室の中で次のように語った。

業務拡張のため手狭になり、道玄坂上へ本社を移転する

 「旧オフィスはデザインなどの面でわりと気に入っていたんですが、業務拡張と増員で手狭になり、移転せざるを得なくなりました。新宿などもオフィスとして検討していましたが、やはり渋谷という立地は取引先や関連会社などが集積していて、ビジネスの上で大変利便性の良いエリアなので、渋谷駅周辺にこだわって移転先を検討してきました」(冨永氏)

 この「渋谷プライムプラザ」には同社のグループ会社が何社か入居しているため、以前からよく知っていたという。今回の移転では、同ビルは冨永氏の求める「1フロアに全社員が収容できるだけの床面積」という条件を満たし、グループ会社間の連携も図ることができ、さらに天井が高く窓面積も広いため「明るいオフィス環境」を構築できるということが、物件選定の決め手になったようだ。


コーポレートカラーの赤を前面に打ち出した印象的なエントランス(左)、エントランスボードの赤を強調すべく、周囲は黒で落ち着いた色調(右)

社内コミュニケーションが取りやすい環境にこだわる

 本社移転に当たっての準備期間は約2カ月。この短期間で、執務エリアや会議室などのレイアウトを決め、アルバイトを含めて120人からの移転を実施したというからかなりのスピード移転である。とはいえ、同社をはじめとするグループ会社ではこのくらいのスケジュール感はごく標準的だというから驚かされる。

 「旧オフィスは約130坪ほどの床面積でしたが、今回は共用部分を含めて約180坪に拡張しました。専有面積でいえば約30坪ほどの増床になりますが、この“ゆとり”を生かしたレイアウトになっています」(冨永氏)

 オフィスレイアウトに際して、冨永社長がいつもこだわっているのは「コミュニケーションが取りやすいオフィスとすること」だという。具体的なポイントとしては、パーティションの高さなどはその一例である。少し以前のオフィスでは高めのパーティションを採用していたが、前回のオフィスあたりから低めのパーティションに変え、立ちあがれば人の顔が見えるような高さになっている。


エントランスボードの足元には、金色のエヴァンゲリオン初号機(左)、カフェスペース正面の赤い壁には「笑」の字の書が飾られている(右)

 「まわりの雰囲気というか、まわりの人が今、何をしているのかが瞬時に見渡せるオフィスであることを常に心がけています」(冨永氏)

 また同社のオフィスでは以前から、どこかに必ずコーポレートカラーの赤を入れるようにしてきたという。桜丘町の旧オフィスでは、前述したように入口部分に全面赤の壁を設けていたが、今回のオフィスではエントランスボードに印象的な赤を使用し、オフィス内の壁の一部に赤を採り入れているほか、執務エリアから社長室へと続く床に一直線に赤いタイルカーペットを敷きつめている。


創立5 周年の記念に贈られたフューチャースコープの社名入り達磨(右)

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