長期休暇が取れないのは、長期休暇を取るのがうまい上司がいないからだそろそろ脳内ビジネスの話をしようか(2/3 ページ)

» 2013年08月16日 11時55分 公開
[島田徹,Business Media 誠]
誠ブログ

キャラを作る

 これはこれから語るすべてのストーリーの土台作りです。まず入社時点から自分は定期的に長期休暇を取る人間であることを内外に吹聴しておくことです。

 例えば、

 「自分は1年に1回は海外に行かないと死んじゃう体質なんですよ」

 「盆と正月に家帰らないやつには、ばあちゃん遺産残さないとかって言ってるんですよ」

 などと言っておくことがポイントです。この下準備ができてないと、突然「長期の休みを取らせてほしい」と言うと、皆が驚いてしまい、まず態度を硬化させてしまうとこから入ってしまう。結果、リカバリーが難しいです。

オンの時は責任感を持って仕事する

 オンの時には、きちんと責任感を持って仕事することです。

 特に大事なのは、普段から忙しい時には残業や休出を厭わない態度を見せることです。それをすることで、上司としては「彼がお客さんやチームメンバーに迷惑が掛かるような状態で休むはずがない」という印象を持ちます。お客さんとしても「きっと休み中でも何らかのカバー体制を作って行ってくれるんだろうな」と思います。

 そういう信頼関係が築けていれば、ちょっとした無理は受け入れやすくなります。

早めに宣言する

 休みの日程の目星を付けたら、1カ月前などに早めに宣言します。お客さんには1週間前とかでもいいと思いますが、社内的には早いに越したことはないです。

 そして、何度も何度もことあるごとにアピールします。

 私は社員から「何月何日から何月何日まで、夏休み取っていいですか?」と聞かれたら、「いいよー。取んなー。」と答えますが、その1分後に忘れてます。

 人のスケジュールなんてどうでもいいのです。それよりダイエット中にあって今日の昼に何を食べるかのほうが圧倒的に重要なテーマです。

 その後、会議や飲み会の時などに、何度も何度もしつこく聞かされるとだんだん「あ、彼は8月末ごろ休むのかー」と認識が始まり、しかしそれでも漠然とした意識でしかなく、Googleの週間カレンダーに予定が表示されるようになって、やっと「おっと、こんなところでヤツは休むのか。うーむ……。言い伝えでは聞いていたような気がするが、ここか……。ここで本当に休むんだ……」と確実に認知するのです。

一度決めた日程に関しては一切妥協しない

 お客さんにも1週間や2週間前には通知する必要がありますが、もう日程については確定した前提で話をして、たとえただの放浪のキャンプとかなのでずらそうと思えばずらせるのであっても、その辺は一切揺れてはいけません。

 もちろん仕事に1番影響の少なそうな時期を狙って休みを取るべきなんですが、その日程を決めてから1カ月くらいの間にやはり状況は微妙に変わってくるものです。

 何か微妙な状況の変化あるたびに揺れていると、お客さんや上司は「予定は強く言えばずれる」と学習し、いつまでたっても休みなんて取れません。まあ、これは交渉ごとの基本ですね。

メールチェックや社内SNSチェックする。携帯は時間を決めて折り返す

 実はこれは大事なことなんですが、オフとは言っても、1日2回くらいは通信ポートを開くべきだと思います。メールチェックをしたり社内SNSにログインしたりして、何か緊急事態は発生してないかを確認します。

 また携帯の留守電などもチェックし、返事が必要なら折り返します。あらかじめ「電話はお昼と夕方に折り返せるかもしれない」と言っておくとよいでしょう。

 私もかつては、オフなんだから完全に仕事を離れて休みたい気持ちでいました。しかしそうすると緊急用件がどんどん溜まってしまい、とんでもない事態を引き起こしたり、お客さんや上司にストレスを溜め、最悪の場合、回復不能な不信感を持たれてしまう可能性があります。

 そうなってしまうよりは、ちょっと面倒でも小まめに対処をしておいたほうがいいです。これは次回の休みのために必要な投資作業です。

 メールなどをチェックして、どうでもいい内容であれば返事しなければいいですし、あるいは「休暇明けに1番で対応させていただきます」と返しておけばいいので、実際心がブルーになることなんてめったにないはずです。

 基本的に仕事は一切しない、というポリシーのところに、どうしても対応しなければならない電話などが入ってくるとかなりブルーになりませんか?

 それよりも基本的に緊急事態があれば喜んで対応する、というポリシーにしておいて「今日も緊急の用件はなかった」のほうが精神的に安定すると思います。

 また、逆に休み中にメールや電話がつながった、ということでお客さんや上司、チームメンバーはとてもハッピーな気分になり、帰ってからの仕事もやりやすくなることもあり得ます。

 と、こんな感じです。

注目のテーマ