自己評価+他者評価で見えるもの――成長できない人が陥るワナとは?明日の私を強くするビジネス元気ワード(2/2 ページ)

» 2013年06月21日 11時50分 公開
[岩淺こまき,Business Media 誠]
誠ブログ
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リーダー あのね、私はその声は強みではないと思ってるよ。

 今度はきょとんで済まされない。結構ショックを受けた。

リーダー あ、誤解のないように言っておくと、あなたの声はすてきだと思う。ただ、電話口の相手が聞き取りやすい声ではないと思うんだよ。ハスキーさと少し声が小さいところが一緒になって、余計に聞き取りづらくなっている。相手に聞き返されることってない?

 あります……、よく。

リーダー そっか。だからね。もう少し声を大き目に出して、後少しだけ高めの声を出して対応してみたら? そうすれば、聞き返されることはなくなるよ。

 そうか、よく顧客に聞き直されるのは、耳が遠いんではなくて私の発声の問題だったんだ。でも……。黙った私に、リーダーは確認してきた。

リーダー 他の人に、録音データを聞いてもらわなかったの?

 ……はい。

リーダー じゃ、今度から録音データや自分の対応を他の人に見てもらってフィードバック(コメント)をもらってごらん。繰り返しになるけど、自分で自分を振り返ったことは、とても行動力があってよかったと思ってるよ。でもそれだけだと、今回のあなたみたいに正確に状況を客観視できないことがあるんだ。だから、他の人からいろいろフィードバックをもらうとよいんだよ。そうすると、客観性が上がるでしょう?

 リーダーの言っていることは理解できる。でも、他人に見てもらうのは正直気持ちが引いてしまうことがある。ダメ出しばっかりされるとやはり落ち込むし……。その思いをリーダーに伝えてみた。

リーダー 確かにダメ出しゴッコみたいに、言い放しの人はいるよね。あんまりいい気はしないよね。でもね、なぜフィードバックもらうのか考えてみると良いよ。なぜフィードバックを受けて、客観性を上げる必要があると思う?

 ……分かりません。

リーダー フィードバックを受ける目的は「現時点の最も適した方法を最短で見つけるため」といえば分かりやすいかな。例えば「あなたの声はこういう特徴があるよ。だからこういう発声のほうが、相手は聞きやすいよ」とか。

 こうやって初めにきちんと客観視できないと、その後間違った努力の仕方をしてしまって結果的に試行錯誤の時間が長くなるだけだからね。よい方法が見つかれば、それだけ早く、成果に結び付きやすくなるんだよ。本当はフィードバックする人も、相手がへこんだりしないように、きちんとフィードバックするスキルを身に付けて欲しいんだけど……。人に期待するのは時間のロスだから、これはあきらめて。

 そう言ってリーダーは笑って、私の肩をたたいてデスクに戻っていった。

 私は成長するために、まず自分を客観視するために録音データを聞いた。でもその時分析した結果が正しくなかったために、その後の対策もずれた方向に設定してしまったことが分かった。

 気持ちの抵抗はまだあるけれど、より客観性を高めるために誰かに「フィードバックお願いします」と頼むことが、今の私に必要だと思った。


今日の元気ワード:振り返りが自己満足にならないように気をつけましょう

 他者からのフィードバックは、仕事のスキルを高める時だけではなく自分の仕事の進め方を省みるときにも使えます。同じような進め方でうまくいかないときは、他者からどう見えているのか、フィードバックをもらうのは有効です。

※この記事は、誠ブログ明日の私を強くするビジネス元気ワード:成長出来ない人がおちいるワナとは?より転載、編集しています。

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