4つ目は、話すことによって「癒しの効果」が得られることです。
私は先日まで、仕事で悩みを抱えていました。「自分で考えられる限りことはがんばった。けれども、なかなかうまくいかない」といった状況でした。このとき私は、次のような気持ちを抱いていました。「自分で何とかしなければいけないことは分かっている。だからアドバイスがほしいわけじゃないし、慰めてほしいわけでもない。『お前ならできる』と言ってほしいわけでもない。とにかく話を聞いてほしい」
このような状況にあるとき、コーチングもへったくれもありません。「○○法で分析してみましょう」というような表面的なことでも、問題は解決しないことは感覚的に分かっていました。「同じ体験をしたことがある人にとにかく話を聞いてほしい」……ただ、それだけでした。
私は、私と同じ境遇を経験したことがある知人に「話を聞いてほしい」と連絡し、話を聞いてもらいました。知人は、何もアドバイスすることなく、ただ話を聞いてくれました。内に抱えていたことを外に出すことで、肩の荷を降ろすことができました。そして、気がついたのです。「こんなに自分を追い込んでいたんだな」ということに。そうです、「自分の知らない自分」に気付いた瞬間でした。
これまでの私は、いろんな場に参加すること、組織に属することについて、ネガティブな面しか見ていませんでした。けれども、この経営者の話をうかがって、また自身が体験したことを通じて、「いろんな場に参加してみよう。そして、自分の考えを話してみよう」と思いを新たにしています。
あなたは「自分が知っている自分がすべてだ」と思っていませんか? 「自分の考えを話す価値などない」と思っていませんか? 自分の考えを話す場を作ることによって、「あなたが知らないあなた」に出会えるかもしれません。
- 不安や悩みを相談できない――そんな人にオススメの方法
職場の人間関係に悩んだり、過大な目標に悲鳴を上げている人も多いのでは。「悩みや不安は人に相談したほうがいい」といった声をよく聞くが、そもそも相談するのが苦手な人はどうすればいいのか。そんな人に「ココロの整理の仕方」を紹介する。
- 上司が部下に言ってはいけない、10のセリフ
会社の中で「課長」が与える影響力は大きい。現場におけるキーパーソンであり、課長次第で、業績も部下の成長も大きく左右される。今の時代、課長が身につけておくべき能力は何だろうか。本連載では、課長が身につけておくべき「上司力」について考えていきたい。
- 「どうしても自信が持てない」「課題だらけですぐパニック」――情けない自分にさよならするには?
必要以上に考えすぎ、誰かに心配してほしい、過去に負った深い傷に反応してしまう――これまでうつのさまざまなパターンを見てきましたが、今回で最後です。自分に自信が持てなくて落ち込みが止まらない。仕事、家庭、自分――課題が一気に押し寄せるとパニックに陥ってしまう。どうしたらそんな自分を卒業できるでしょうか?
- うつ病にならないようにする方法
ここ数年増加してきている、うつ病患者。「自分はうつ病になりやすそうな性格だ」と自覚していたちきりんさんは、予防策としていくつかの努力を続けてきたそうです。
- 仕事の生産性を上げるために、私が職場の机でやめたこと
職場の机の上には、実際には仕事と関係ないことも、最高の仕事を生み出す能力に影響を与えるものもすべてあります。自分の机をワークステーションとして考え直してみませんか。
- 職場の将来性、人間関係……5人に4人が仕事で悩みを抱えている
近年、頻繁に取り上げられるようになった職場でのメンタルヘルス問題。「職場の将来性」や「職場の人間関係」など、5人に4人が職場で悩みを抱えているようだ。特定非営利活動法人しごとのみらい調べ。
- やる気は「出す」ものではなく「出る」もの
自分はやる気があるのにほかのスタッフがやる気がなく、「やる気を出そうよ」といってみても、冷たい目で見られるだけ……。楽しく仕事ができる「働きやすい職場」には、仲間のやる気が大事です。「褒める」をテーマに、仲間のやる気を引き出す会話の方法を伝えます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.