「映像」とセットにすると、記憶に残りやすいすべての勉強は図でうまくいく(2/2 ページ)

» 2012年09月27日 11時00分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]
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覚えた情報を“効率よく”取り出す方法

 ここで、記憶のプロセスを分解してみましょう。人間の脳は、大きく以下3つの段階を経て、記憶を活用しています。

記憶のプロセス3段階

  1. まず、体験した出来事が頭に記録されます。これは「記銘」と呼び、コンピュータで言えば「インプット」のこと。Google検索で言えば、検索キーワードを入力する部分に当たります
  2. 次に符号化された情報が保管されます。これを「保持」と言い、コンピュータで言えば「メモリ」や「HDD」です。
  3. 保持されていた情報を思い出すことを「想起」と言います。つまり「アウトプット(出力、成果)」です。Googleの例では検索結果になります

 言うまでもなく、重要なのはインプット(記銘)でもメモリ(保持)でもありません。いかに効率よくアウトプット(想起)できるようにするかが勝負なのです。情報が詰まっていても、取り出せないものは価値がありません。

人間が記憶するプロセスは、(1)体験した出来事を記録する(2)それを脳に保持しておく(3)必要なときに取り出すという3段階のプロセスを踏みます。そこでなんといっても大事なことは、いざというときに必要な情報を引き出せるかどうか、です

 Googleが後発であったのにもかかわらず、インターネットの検索分野で一番になれたのは「効率的にアウトプット」できる仕組みが素晴らしかったからです。

 記憶も同様に、1つのインプットで他の記憶が簡単に取り出せるようにしておくのがポイント。そのためには何が必要なのでしょうか? そこに図解式勉強法のカギがあります。

芋づる式に記憶がよみがえる!

 優れたアウトプットができるようにするためには、記憶を「芋づる式」に取り出せるようにしておくことです。芋づる式は、サツマイモなどの芋のつるを手繰ると、次々と芋が連なって出てくるさまをイメージすると分かりやすいでしょう。1つの情報が引き金になり、次々にほかの情報を取り出せるようになるということです。

 そのための方法は、意外とシンプル。記憶する際にあらかじめ「芋づる式」にしておくことです。つまり、理解や記憶の段階で芋をつるでつなげておく。断片的な情報を「自分で編集して」「つなげて」「1つのストーリーにまとめる」ことなのです。

 記憶の3段階で一番大事なのは、想起(アウトプット)! ということですね。

 次回は、実際の図解式勉強法のメリットをお伝えします!


集中連載『すべての勉強は、「図」でうまくいく』について

『すべての勉強は、「図」でうまくいく』 『すべての勉強は、「図」でうまくいく』(永田豊志・著、三笠書房・刊、本体1365円)

 連載の内容は、2012年9月28日に発売の『すべての勉強は、「図」でうまくいく』(永田豊志・著、三笠書房・刊)から一部抜粋しています。

 「図解思考」シリーズ、最強フレームワーカーへの道でおなじみの著者・永田豊志が、誠 Biz.ID読者の悩みである「勉強法」にまったく新しいアプローチで切り込みました。

 勉強が苦手な人、覚えたり、まとめたりするのが苦手な人でも「図解式勉強法」を身に付けることで、理解力と記憶力が驚くほど向上! これまでの辛い、退屈な勉強法とはおさらば。新しい学習方法は、あなたに新しい人生の扉を開いてくれることでしょう。


目次

  • 第1章:「図解」を使うと、なぜ頭がよくなるか?

 これまでの学習方法がうまくいかない理由と知識を構造化する図解のメリット

  • 第2章:「図解」の基本はたった“これだけ”!

 理解力、記憶力が劇的に深まるキーワードをつなげて、まとめる方法

  • 第3章:「図解」の応用で成果が10倍アップ!

 6つの情報整理箱で学習効果が見違えるほどに

  • 第4章:まとめノートの作り方

 自分専用必勝教科書ができる

  • 第5章:実力を飛躍的に高める習慣

 プラスの循環が始まる法則

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 ビジネスマンの「知的生産性の向上」をテーマに精力的に執筆・講演活動も行っている。近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』『ノート・手帳・メモが変わる絵文字の技術』(中経出版刊)、『すべての勉強は、「図」でうまくいく』(三笠書房刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com

Twitterアカウント:@nagatameister


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