モンスターペイシェントにはなりたくない現役医師がズバリ回答(1/2 ページ)

モンスターペイシェントって本当にいるんですか? 医師は患者に対して、どう接するように努めてますか? 患者は医師に対し、どう接したら良好な関係を築けますか?

» 2009年06月01日 15時00分 公開
[仁科桜子(企画:ソフトバンククリエイティブ),Business Media 誠]

質問

 モンスターペイシェントって本当にいるんですか? 医師は患者に対して、どう接するように努めてますか? 患者は医師に対し、どう接したら良好な関係を築けますか?


 新年度も始まってもう6月になりますなあ。高校生の頃なんてさ(紀元前くらい前のような気もするけど)、学年が1つ上がって妙にうれしかったような記憶がある。でも、今や年齢が上がってもうれしいどころか、むしろ職場でお局の道まっしぐらな自分。あ〜〜〜、あの初々しかった頃の私に戻りたい! 学生服着たい! ルーズソックス履きたい!

 企業では、そろそろ新入社員たちも配属されたころかしら。職場にもフレッシュな風を送り込んでくれていることでしょう。病院もまた同じように、新人ドクターや新人ナースたちがたくさん入ってきます。こちらは「あーフレッシュだわあ」と喜ぶ気持ちもありつつ、新人がミスをしないか目を光らせなくちゃいけなかったりして、中堅どころとしてはちょっと緊張の時期なのです。下のミスは上の責任……これはどの業界にも言えることなんだろうな。

モンペって何だ?

 さてさて、今回の話題は「モンスターペイシェント」。略すと「モンペ」か? 病院に患者としてかかる人からすれば、なかなかそういったモンペに遭遇するチャンスはないですよね。「本当にそんな患者いるの?」と疑いたくなる気持ちもよく分かる。しかし、実際に病院で働いてみると、むしろモンペに一度も遭遇しない日はないというくらい、かなりの確率でお会するんだな、これが。

 ここで念のため、「モンスターペイシェントってなに?」という方のために説明をば。単純に言うと、「医療機関や医療従事者などに対し、理不尽な要求やクレームをする患者」ってな存在なわけです。

 ただ、このモンスターかどうかの基準が難しいわけですよ。普段はとてもいい人なのにスイッチが入るとモンスターになってしまう人や、ちょっと個性的すぎて微笑ましい人、また中には、すごーく悪質でこちらが泣けてくるくらいの困り者などなど、その度合いはまちまちです。一般的に言っても、いい人が急に困った人になることはありますしね。

 では、実際にどんな患者さんたちがいるのでしょうか? モンスターと呼んでいいかどうかはさておき、私が経験した変わった患者の方々の一例を挙げると、お尻の穴に電球を入れて取れなくなり病院に現れた男性や、外来診療で数分待たせただけで怒鳴り散らすエリート会社員、院内でナースをスカウトするAV監督……。まだまだありますが、詳しくは私の『病院はもうご臨終です』を読んでみて下さい。はい、宣伝です。すみません。

 ただ、これらはかなりインパクトの強いレアケースかもしれません。日々の診療の中で一番多いのは、待ち時間や医療行為に対するクレームじゃないかと思います。もちろん、これらの全てが「モンスター」なのではありません。患者さんの言っていることのほうが正しかったり、正当なクレームであったり、こちらがとても参考になるご意見もたくさんあります。しかし、中にはちょっと変なクレームもあるわけです。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ