12月の総務特集は「医者要らずでできるインフルエンザ対策」。そもそもインフルエンザと風邪の違いって? 予防するにはどんなことに気をつければいいの? 個人でできる感染予防策と、企業が取るべき対策を見ていこう。
電車で、オフィスで、街中で――咳をしている人を多く見かけるこの季節。筆者の働くオフィス内でも、あちらこちらからゴホゴホと聞こえてくる。これは単なる風邪か、それともインフル(エンザ)か――。
製薬会社の行った意識調査によれば、「風邪をひいて仕事が滞ると、損失は5日間で4万4270円」だそうだ。「年末でただでさえ忙しいこの時期に、5日間も休んでしまったら仕事にならないよ」とお考えの人も多いことだろう。
そんなビジネスパーソンが、風邪以上に気を付けなければならないのがインフルエンザ。1度かかってしまったら、5日間どころか1週間以上経ってもまだ会社に出てこられない――なんて場合も少なくない。しかも、同じシーズンに何度も罹患してしまう場合もあるから、1度感染して回復したからといって決して油断はできないのだ。
それにしても、これだけ毎年多くの人が感染しているにも関わらず、この季節になると必ず「全国各地で学級閉鎖が相次いでいます」というニュースを見かけるような気がする。会社の同僚や友人に話を聞いてみても、1人や2人は「この間はインフルエンザで苦労してね……」という人がいるようだ。インフルエンザのおそろしさは皆分かっているはずなのに、なぜだろう?
以前、筆者がインフルエンザにかかったときのことを思い出してみよう。あの時はまず熱が出て――ただの風邪だと思って、家で市販薬を飲んで休んでいたのだった。それから3日経ってもまったく熱が下がらないので、ふらふらになりながら病院に行ったところ、インフルエンザとの診断。結局それから5日間ほど苦しんだ記憶がある。あのとき、「どうせただの風邪だから」と勘違いせずにすぐに病院に行っていれば、これほど長引くこともなかったのかもしれない。
厚生労働省健康局の結核感染症課によると、やはり「インフルエンザをただの風邪と勘違いして外出し、人にうつしてしまう人が多い」という。また、感染後に服用する抗インフルエンザ薬は、症状が出てから48時間以内にでないと、十分な効果が期待できない。
初期症状が出た時点で、個人「まずい、どうやらこれはインフルエンザのようだぞ」と判別できれば、自分も、周囲の人も、被害を最小限に食い止められるわけだ。では、個人が風邪とインフルエンザを見分けるためには、どんなポイントに注目すればいいのだろう?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.