インフルをインフルと見抜けないと(年末を乗り切るのは)難しい医者要らずでできるインフルエンザ対策(2/2 ページ)

» 2008年12月01日 20時50分 公開
[杉本吏,ITmedia]
前のページへ 1|2       

「悪寒、発熱、関節痛」をチェック

 国内でのインフルエンザの流行のピークは、毎年11月〜3月。いったん流行すると、短期間に小児から高齢者まで膨大な数の人を巻き込み、最悪の場合は死に至ることもある危険な感染症なのだ。

 ウイルスのタイプは大きく分けてA型、B型、C型の3種類があり、このうち大きな流行の原因となるのはA型とB型。A型はさらにいくつかに分けられ、現在流行しているのは「香港型」と「ソ連型」の2種類だ。こうしたいくつかの型が同時期に流行することがあるため、同じシーズンの中でA型インフルエンザに2回かかったり、A型に続いてB型にかかったりすることがあるわけだ。

 風邪との違いの1つは、突然の発熱。「風邪はだらだらと37度程度の熱が続くが、インフルエンザはまず悪寒がきて、その後1日ほどで38度〜40度にもなる発熱がくる」(厚生労働省健康局の結核感染症課)。

 また、のどの痛みや鼻水、咳などの症状に加え、「関節痛や筋肉痛など、全身に強い症状が出る」点も特徴的。風邪のように局所的な症状ではなく、全身に倦怠感を感じたら、インフルエンザの疑いが強いというわけだ。「巨人、大鵬、卵焼き」(古い!)ではないが、「悪寒、発熱、関節痛」と覚えておけばいいだろう。

風邪とインフルエンザの違い(厚生労働省「インフルエンザの基礎知識」より)
  インフルエンザ 風邪
症状 高熱頭痛関節痛筋肉痛、咳、のどの痛み、鼻水など のどの痛み、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、咳、発熱(高齢者では高熱でないこともある)
発症 急激 比較的ゆっくり
症状の部位 強い倦怠感など全身症状 鼻、のどなど局所的

 つまり、

  • 38度〜40度前後の突然の発熱
  • 全身の倦怠感、関節痛、筋肉痛
  • 鼻水が、ひきはじめではなく発熱などの症状の後に出る

 上記のような症状が出た場合は、インフルエンザの疑いありということで、すぐに医療期間で受診する必要がある。

 感染してしまったら、お茶やジュース、スープなどの水分を多めに補給して、睡眠を十分に取ることが重要だ。48時間以内に抗インフルエンザ薬を服用すれば、発熱期間は1〜2日間を短縮でき、ウイルス排泄量も減少する。ただし、熱が下がってからもしばらくはウイルスを排泄してしまうため、1〜2日間は外出を避けたほうが無難だ。

 とは言え、まずは感染しないように注意することがなによりも大事。いったん感染してしまえば、自分はもとより周囲にも迷惑をかけてしまうことになる。次回以降で、個人でできる効果的な予防法について見ていこう。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ