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後編 写真と動画で“見る”「ポメラ」の開発秘話 (1/2)
発売日が目前に迫ったキングジムの「ポメラ」。前編に引き続き、開発秘話を紹介する。あの折りたたみ式キーボードはいかにして生まれたのだろうか――。
「これならお金を出しても欲しい。俺は買う」――ある役員が言った言葉で開発がスタートした「ポメラ」。テキスト入力だけという絞り込んだコンセプトを守るため、開発を担当したキングジムの立石幸士さんも「通信機能やスケジューラなどの機能を盛り込みたい」という欲求を我慢したという。
キングジムの立石さん。右手にポメラ、左手に専用ケースA6文庫本サイズのため――縦が短いキーボード
そんな立石さんがこだわったのは、何と言ってもキーボードだ。ポメラの折りたたみ式キーボードは、開くと250ミリとノートPC並みに広がる。Let's noteのRシリーズを意識したというキーの幅は17ミリ、キーストロークは2ミリ。こちらもノートPC並みである。
ただ、「ポメラで書くポメラ日記」でも触れたが、キーの横幅に比べると縦幅が狭い変則的な形状。キーボード全体も縦の長さが短めなのである。ホームポジション(左手人差し指を[F]、右手人差し指を[J])に置くと、親指がキーボードの外にはみ出てしまう。これは筆者が男性で手も大きいほうだからかもしれないが、キーボードの縦の長さが足りない印象があるのだ。
実はポメラは、普段持ち歩きしやすい「A6文庫本サイズ」が大前提だった。折りたたんだときにA6文庫本サイズにするには、横幅は17ミリのキーサイズでも問題なかったが、通常の縦の長さだと本体サイズに無理が出た。そこで、6列キーボードのうちファンクションキーが並ぶ一番上の列、その下の数字キーが並ぶ列、それから一番下のスペースキーなどが並ぶ列のキーサイズを変えた。これらのキーの縦の長さを短くしたのである。
「すべてのキーを[G]や[K]のようなメインのキー並みの縦サイズにしてしまうと、当然縦の長さが伸びてしまいます。すると、折りたたんだときの形状がA6文庫本サイズではなく、正方形のような形になってしまうのです」。これでは、持ち運びを前提にしていたコンセプトデザインとは外れてしまう。そこで、使用感を損なわない程度のサイズダウンを検討した結果、上記3列の縦サイズを変更したのだった。
2ミリというキーストロークだが、実は折りたたみ式キーボードの構造からも必須だったという。ポメラの折りたたみ式キーボードは本体左側のボタンを押すと、パンッと少しだけ跳ねるように開く。この開いたときの圧力は押し込められた各キーが反発するためだ。ポメラのキー押し下げ圧は約60グラム。一般的なPCのキーボードは60〜70グラムということで、折りたたみ式キーボードを作る上での偶然かもしれないが、結果的にはPCのキーボードに近づいたわけである。
「実は私の中で最優秀賞のキータッチはPC-8801のキーボードなのです。あのキーボードは、ある程度押すまではカッチリしていて、その後押し込むとスッと入っていくようなメリハリがあったように思います」
[鷹木創,ITmedia]
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