サラサラ粉末? 完全密封? 水なし処理の非常用トイレあれこれ「いざ」への想定力が決め手、企業の震災対策&グッズ(3/3 ページ)

» 2008年09月09日 19時42分 公開
[豊島美幸,ITmedia]
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大小まとめてサラサラ粉末に、マジカルトイレ「パウダレット」

 今まで見てきたもの排泄物そのものは残っていた。だが原形を残さず、サラサラの粉末にしてしまうマジカルな非常用トイレがある。エクセルシアの「パウダレット」(10万円〜)だ。


 パウダレットは、排泄物のかくはん機能を付けたバケツ兼便器になっている。別途違う器に排泄して、後からバケツに移し変えることも可能だ。


 処理法はこうなる。まずバケツの中に排泄物を入れ、さらに粉状の薬剤を入れる。


写真ではフタを外しているが、実際は活性炭入りのフタをして行うので、匂いも粉塵もかからない

 手動ハンドルを30秒ほど回して、かき混ぜる。すると薬剤が化学反応を起こし発熱。発熱により悪臭の元となる菌も死滅し、90度に達すると水分が蒸発する。


 そして最後は、サラサラの白い粉末になってしまうのだ。この粉末は薬剤と、排泄物の水分が抜けたものと、排泄物に含まれていた繊維などの混合物。

 筆者も粉末の入ったガラスの小瓶を振ってみたが、サラサラだった。その中に羽毛のようなものが含まれていたが、これは繊維だという。


 エクセルシアでは2008年9月、スケットイレなどのように、銀のアルミ袋に入れた排泄物に薬剤を振りかける方法で、大便のみサラサラの粉末に変える「ホワイトレット」(3日分5250円)も発売した。こちらはパウダレットと違い、小便は凝固剤で固める。

水なし焼却炉なし――悪臭を抑える非常用トイレは必須

 紹介してきた4つの非常用トイレを比較すると下の表のようになる。

製品名 主な特徴 自動/手動 薬剤の種類 薬剤を口に含んで安全か 携帯性 電源 処理後の扱いやすさ
ラップポン 1回分ずつまとめて自動パッキングする ほぼ自動 1種 ×
スケットイレ 1つの薬剤で消臭・静菌・固化する 手動 1種 × 不要
水・不要 せいけつさん 薬剤の1つが、非常時の生活全般にまで使える 手動 2種 ○(SS-P3)
×(凝固剤)
不要
パウダレット 排泄物をサラサラ粉末にする 手動 1種 × × 不要

 震災後は水が止まり、さらに倒壊などで焼却施設も止まっている可能性があるから、排泄物を燃やすことすらできない。そう想定すると、インフラ復旧まで悪臭を抑えてくれる非常用トイレはもはや必須。あなたの会社にピッタリなトイレは、この中から見つかっただろうか。


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