豪華絢爛、平安エロ絵巻……じゃなかった『源氏物語 千年の謎』あの映画ざっくりレビュー

» 2011年12月23日 10時00分 公開
[櫻井輪子,Business Media 誠]
ざっくりレビュー

 『源氏物語 千年の謎』はざっくりいうと、「よくも、もてあそんでくれたわね! 書いてやる!」と、紫式部が情念をこめて書いた物語が宮中で大ヒット! 「おいおい、これって俺〜? 俺のこと〜? まいっちゃうなー」と藤原道長がご満悦になる話……でもある。

ざっくりレビュー

 生田斗真が光源氏で、東紀之が藤原道長という、新旧ジャニーズの配役がキモなこの映画。光源氏がモテ男なのはともかく、実在した人物である藤原道長を演じる東の「俺っぷり」にちょっと苦笑。月夜の庭で狐の面を片手に踊りだしたときには「仮面舞踏会か!」と心のハリセンで突っ込みまくり。

 そして、光源氏といえばやりまくりのモテモテ男、この平安装束がいかにして乱れていくのか……とわくわく♪

 女優陣も綺麗どころを集めているので、さぞかし雅で官能的な「ああん……」シーンが見られるだろうと期待したところ、着衣エッチのお好きな方にはたまらない展開はあるものの、そのあたりの描写はわりと控えめであった、残念。

 しかし、六条御息所の生霊が出てきてからは、ほとんどホラー映画になっちゃうので、今見た映画が「源氏物語」だったのか「陰陽師」だったのかどっちでもいいや、という気分になってしまいました。安倍清明役の窪塚くんは元気になってよかったね、っていう感じです。

あらすじ

ざっくりレビュー

時の権力者、藤原道長は、帝に嫁いだ妹が男子を産むことを強く望んでいた。そして、帝の気を引く手段として、才人と評判の女官、紫式部に物語を綴るよう命じる。式部のつづる物語の主人公、光源氏は義理の母で皇后でもある藤壺に叶わぬ想いを抱き、その義母の面影を求めて、さまざまな女のもとに通うのだった。光源氏の物語は宮中で評判になり、道長の妹は無事、帝の子を出産。道長の思惑どおりにことは運んでいるように見えたが、物語の中で源氏の愛人六条御息所が生霊と化してから、式部の描き出す情念の強さに、道長の側近である安倍清明は不穏な気配を感じ取る……。

櫻井輪子(さくらい・わこ)

映画好きが高じて、コラムを書いたりもするイラストレーター。『WOWOWマガジン』『問題小説』『てぃんくる』などでイラストコラムを執筆。『Tokai Walker』の金子裕子さんのコラム「セレブ診療所」にコマ漫画を付けている。過去には『DVD&ビデオでーた』でビデオレビューのイラストコラム、『DVDでーた』で記者会見をレポするコラム『現場から櫻井輪子でした』を連載。

著書に『「へのへのもへじ」から始める 世界一カンタン! イラスト練習帳』がある。公式サイト「SakuraiWako'sめカラうりぼう」。


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