帰国便(LH710)の出発時間が午後1時40分だったので、私たちは午前中の11時からのフライトを予約。滞在していた空港近くのホテルに朝9時45分にタクシーを呼んで、郊外にあるエーゲルスバッハ飛行場へ向かう。10時過ぎに到着すると、同じ便に搭乗する人たちがすでにチェックイン手続きを開始していた。
地元の人たちもいたが、大半は外国からの観光客である。このレトロな航空機を懐かしんで集まってきただけに、やはり年配者が多い。
「この何とも言えない独特のフォルムが好きでねえ」と話すのは、夫人を伴ってイタリア・ローマからフランクフルトにやってきたという66歳の男性だ。「去年に続いて、また乗りにきちゃったよ」
出発時間の20分前に搭乗開始がアナウンスされ、飛行場に駐機している機体にターミナルから歩いて向かうが、すぐに乗り込む人は誰もいない。古い友人に久しぶりに会ったかのように、みんな愛おしげに機体に手を触れている。その様子を笑顔で見つめていたのは、グランドスタッフ役のクラウディア・シュタインさんだ。
「最初にこうやってJu52と触れ合っていただく時間を確保するために、搭乗案内をわざと早めにしているんですよ」
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