実は日本では20年ぶり。喜多俊之デザイン展(1/3 ページ)

» 2011年10月22日 15時54分 公開
[本間美紀,エキサイトイズム]
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※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。


 喜多俊之さんといえば、日本を代表する家具・プロダクトのデザイナー。そんな喜多さんの代表作を集めた展覧会「喜多俊之デザイン Timeless Future」が10月27日から開催される。

 喜多さんは特にイタリアとの縁が深く、もう1つの母国といえるほどだ。この展覧会も、最初はイタリアのミラノで2010年に開かれたもの。この展覧会はそのときの展示作品や、パリやニューヨークなどの美術館で永久コレクションとなっている作品50点を展示する。作品は生活のデザイン/未来のデザイン/日本の伝統産業と3つのジャンルに分類される。

 これまでもヘルシンキや上海、パリなどで個展を開催。意外なことだが、喜多さんの日本での個展は20年ぶり。彼がいかに世界を拠点に活躍してきたかを示すようなエピソードだ。

 美濃和紙をつかった照明器具「TAKO」は、喜多さんが長く続けている日本の地場産業とデザインのコラボワークの1つ。海外では定番となっている照明の1つだ。ほかにも春慶塗や輪島塗、有田焼などがそろう。

 暮らしを楽しむ心が椅子という形になったらこんな感じ。そんな言葉で評したいのが世界的な名作「WINK CHAIR」(カッシーナ)。たくさんの「関節」を持ち、姿勢にあわせて可動する。

エキサイトイズム 「WINK CHAIR」1980年 CASSINA(イタリア) 脚を伸ばして寝転んだり、折曲げて腰掛けることもできる椅子。ヘッドレストの耳は自在に動く。カバーにはカラフルな色を使い、服を着せ替えるようにカバーを替える楽しさを提案
エキサイトイズム 2010年のミラノサローネでの展示、右が「WINK CHAIR」

 この椅子が発売になったのが1980年。日本でもまさにブランドのファッションが一般化してもっと自由になり、ウォークマンの登場で音楽が街を歩き始めた時代。椅子はじっと座るものではなく、もっとエモーショナルに。そんな時代をつかんだデザインは世界を風靡したのだった。

 モローゾから発売した「SARUYAMA」は、公共用ソファ。動物園の猿山のような、丸い突起がつき、座る人の関係を限定しない発想は、また喜多さんの人柄そのものを表しているようで、人気の高いプロダクトだ。こちらはプロトタイプから数えると43年目になるという。

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