大統領になる運命を捨ててでも、君と一緒にいたいんだ――『アジャストメント』あの映画ざっくりレビュー

» 2011年09月27日 15時00分 公開
[櫻井輪子,Business Media 誠]
ザックリレビュー

 マット・デイモン主演の『アジャストメント』はざっくりいうと、「お前を大統領にしてやろうかああ!」っていう運命調整局の天使たちの采配を無視してでもひと目惚れの彼女と一緒にいたいんだ! っていう……理想の結婚と世界を救う大統領への道は両立できんのか? っていう話。

ざっくりレビュー

 2011年5月に公開された『アジャストメント』、マット・デイモン主演で陰謀ものっぽいから、ボーンシリーズみたいなハードボイルドアクションなのかと思ったら、びっくりするほどラブロマンスでした。ひと目会ったその日から恋の花が咲いちゃって、人智を越えたはずの運命調整局が引き離しても引き離しても巡り会っちゃう2人……何てロマンちっくなの? マット・デイモンのくせに(笑)。

 異次元をつなぐドアを開ける帽子や運命が記録されてるノートなど、都会の天使のアイテムはちょっと面白い。でも、異次元ドアが万能じゃなくてイラっとするところは「ドラえもんに何とかしてもらえよ」と突っ込み必至。そして、「駄目だ、お前は女で満足しちゃったら野望を捨てちゃうタイプだから」とかほざく天使に「えー、何じゃそりゃ、その程度の男に世界を救ってもらおうと思ってたんかい! 天使、おい天使、ちょっと体育館裏まで来いや、仏陀が説教してくれるわ!」と突っ込みながら観るのをお勧めします。

あらすじ

ニューヨーク、ブルックリン出身の下院議員デヴィッド・ノリスは、上院議員選挙に敗北した夜にエリースに出会い恋に落ちるが、彼女の連絡先は分からずじまい。ある日、いつものように出勤した職場で人々が「記憶を調整されている」場面を見てしまう。「運命調整局」という人智を越えた存在から、自分はいずれ大統領になることを告げられ「エリースとは2度と会うな」と言われるデヴィッド。エリースとは会えないまま3年が過ぎ、再び選挙を控えたデヴィッドは街でエリースの姿を発見する。

櫻井輪子(さくらい・わこ)

映画好きが高じて、コラムを書いたりもするイラストレーター。『WOWOWマガジン』『問題小説』『てぃんくる』などでイラストコラムを執筆。『Tokai Walker』の金子裕子さんのコラム「セレブ診療所」にコマ漫画を付けている。過去には『DVD&ビデオでーた』でビデオレビューのイラストコラム、『DVDでーた』で記者会見をレポするコラム『現場から櫻井輪子でした』を連載。

著書に『「へのへのもへじ」から始める 世界一カンタン! イラスト練習帳』がある。公式サイト「SakuraiWako'sめカラうりぼう」。


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