トーイングカー以外にも、空港では普段あまり見かけない、さまざまな珍しい車両がはたらいている。その代表的なものを紹介しよう。
海外から、あるいは国内の他の都市から到着した旅客機が滑走路に降り立つと、ターミナル前のスポットまで誘導されていく。駐機スポットの前で旅客機を誘導しているのはマーシャラーと呼ばれる人たちで、彼らが立っているのは「マーシャリングカー」の高所作業台だ。その高さは最高で4メートルにも伸びる。
発着便が集中する時間帯には、旅客機はときにターミナルから離れたオープンスポットに止まるケースもある。いわゆる“沖止め”と呼ばれるものだ。そこからターミナルまで専用バスで移動しなければならない面倒もあるが、なかには「自分の足で空港に降り立てる“沖止め”が好き」というファンも。空港にはそのため、乗降用の階段を備えた「パッセンジャーステップカー」も待機している。
停止した機体の胴体部分では、機内に積んだ貨物や乗客が預けた荷物を下ろす作業が始まった。貨物室から大きなコンテナやパレットを積み下ろすのは「カーゴローダー」の役割で、この車両には貨物用のリフトが装備され、コンテナを手際よく地上に下ろしていく。また胴体後方では、貨物室から乗客の預けた荷物を下ろす「ベルトローダー」という車両も活躍。幅の広いゴム製ベルトが回っていて、そこに荷物を1つずつ乗せて地上に下ろす。これらの車両で地上に下ろされた貨物や荷物は、「コンテナトラック」に乗って旅客ターミナルへ。
「あれ、カルガモの親子みたいだね」
ターミナルの待合室からお母さんといっしょに作業の様子を眺めていた小学生ぐらいの男の子が、コンテナトラックを指さして言った。いくつものコンテナをつなげて空港内を走り回るその姿は、まさに一列に並んで行進するカルガモ親子の行列だ。
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