『アバター』と『イングロリアス・バスターズ』どっちがファンタジー?映画でポン!(1/3 ページ)

» 2010年05月17日 11時00分 公開
[櫻井輪子,Business Media 誠]

わこちん(左) 映画好きの絵描き。ナヴィ族って結構少女漫画体型じゃない? とかいってたオタク。結構突っ込み。

佐々爺(右) 映画好きのオヤジ。軍服にちょっと萌えて「結構コスプレとかいけるかも?」とつぶやき「シベリア超特急?」と突っ込まれたボケ。


わこちん(以下わこ) えーと……、今回は『アバター』VS. 『イングロリアス・バスターズ』でどっちがファ……って〜、いやいやいや! 『スター・ウォーズシリーズ』や『ロード・オブ・ザ・リング三部作』に並ぶSFファンタジーの金字塔『アバター』に決まってるんじゃないの?!

佐々爺(以下佐々) ふふふ……、認識が甘い! ファンタジーやSFが現実世界の暗喩(あんゆ)であるのなら、本来ありえないはずの歴史の「if」を扱った『イングロリアス・バスターズ』こそ本当のファンタジーだといえるのじゃ!

わこ 歴史のif〜? アレはタランティーノの超歴史、俺流歴史でしょ。映画的に面白いかどうかが最優先だ! ポリティカルコレクトだとか人道主義とか知るもんか! 俺はやるぜ! っていう俺的ファンタジーでしょ?

佐々 ふふん……、そうじゃろ、俺的でもファンタジーだと認めるざるを得ないじゃろ。歴史のif的考えでいったら『アバター』だって、「ジェイムズ・キャメロンの俺的ポカホンタス もしもネイティブアメリカンが入植者を追い出していたら」つー話にも見えるし……っていうか、そういう風にしか見えませんでした、わしはっ。お前ら異質なものを理解しないのもいい加減にしろ! って感じで腹立っちゃったもん。白人至上主義? 的な?

わこ ファンタジー映画相手に「白人至上主義」とか無粋なこといわないでよ、シラけるなあ。

アバター

地球にはない資源を求めて人類が惑星パンドラに入植しようとしている未来。下半身不随になった元海兵隊員ジェイクは、急死した兄に代わって惑星パンドラで「アバタープロジェクト」に参加する。彼に与えられたのは、地球人とパンドラのナヴィ族の遺伝子を融合して創り上げた肉体、アバターを脳にリンクさせて操りナヴィ族との交渉をする役割だった。アバターを通じて肉体の再生をとげたジェイクはナヴィ族の女性ネイティリと運命的に出会い、一族として受け入れられるに至る。自分に与えられた任務と、ナヴィ族と人類との間で苦悩するジェイク。交渉は決裂し人類の侵攻が始まる(20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン、4990円)


イングロリアス・バスターズ

第二次大戦中、ナチスドイツ占領下のフランス、ユダヤ・ハンターの異名を持つランダ大佐に家族を皆殺しにされたユダヤ人のショシャナは、1人逃げ延びて映画館を営んでいる。レイン中尉率いるアメリカ系ユダヤ人で構成されたナチ狩りの特殊部隊「イングロリアス・バスターズ」はその残忍な手口でナチスドイツを震え上がらせていた。ショシャナの経営する映画館でナチスのプロパガンダ映画を上映することになり、ショシャナは復讐に、バスターズはナチの高官を一網打尽にすべく行動を起こす(ジェネオン・ユニバーサル、4935円)


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