ニューヨークでSix ApartのCEOを務める関信浩氏が、米国でのビジネスに力を入れる日本人アントレプレナー(起業家)や、日本とのビジネスに興味を持つ外国人アントレプレナーと対話するアントレプレナー対談「日米のビジネス事情の違いを知る」。第1回は、機楽株式会社代表取締役兼ロボットデザイナーの石渡昌太氏と、「今注目のIoTの現場から、日米のビジネス事情の違いを知る」をテーマに対談します。
石渡氏は、装着した人間の脳波をキャッチし感情を表現する猫耳型コミュニケーションデバイス「necomimi」の試作開発者。米国法人を所有しながら、国内外でビジネスを展開しています。2013年、オリジナルロボットキット「RAPIRO」を米国のクラウドファンディングサービス「Kickstarter(キックスターター)」に出品し、1000万円以上の資金調達に成功するなど、海外での挑戦的な姿勢にも注目が集まる石渡氏と、日本企業が米国に進出する際の心構えや意識したほうが良い点などを話し合いました。
関: 私は2014年5月からニューヨークで暮らしていますが、石渡さんは今回一時的な渡米ですよね。ニューヨーク以外に注目している国やエリアはありますか?
石渡: 中国ですね。もう中国の時代じゃなくなったという話もありますけれど、私はこの先、中国は質を上げてくるだろうと考えているので、中国の工場との付き合いも大事にしています。コスト的に東南アジアにかなわなくなってきたら、中国は質で勝負するでしょうから。それに、発注先をバングラディシュやベトナムと考えているのは大企業の世界の話で、私たちのような小さな企業からしたら、あまり関係ありません。
中国と日本の工場、それぞれに特徴があるので、その違いをうまく生かしていきたいと考えています。これからの理想の働き方は、東京・中国・ニューヨークを行ったり来たりしながらビジネスチャンスを広げていくことです。ところで関さんは、どうしてニューヨークに来られたんですか?
関: もともとSix Apartは米国で始まった会社なので(2011年、日本法人が米国法人よりブログ管理CMS「Movable Type」に関する全ての権利、ならびにSix Apartブランドを譲り受けると共に、本社機能を日本に移管。会社を売却し、インフォコム傘下に入る)米国に戻りたかったのがひとつ。もうひとつは、新たに「FabCafe NYC」を立ち上げるためです。「FabCafe」とは、東京を中心に世界展開している「ものづくりカフェ」のこと。IoTをはじめ、世界中でムーブメントになっている「ものづくり」を、世界の中心地であるニューヨークから発信していきたいと考えています。現在は、2015年夏のオープンに向け準備をしている最中です。
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