「ラッスンゴレライ」の“あの噂”は本当? 都市伝説が囁かれるフレーズの共通点スピン経済の歩き方(1/4 ページ)

» 2015年04月28日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

スピン経済の歩き方:

 日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。

 「情報操作」というと日本ではネガティブなイメージが強いが、ビジネスにおいて自社の商品やサービスの優位性を顧客や社会に伝えるのは当然だ。裏を返せばヒットしている商品や成功している企業は「スピン」がうまく機能をしている、と言えるのかもしれない。

 そこで、本連載では私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」を紐解いていきたい。


窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで100件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


8.6秒バズーカーが「反日芸人」として叩かれている

 「ラッスンゴレライ」で一躍人気者となった8.6秒バズーカーが一部の方たちから「反日芸人」として叩かれている。

 ちょっと前に芸能ニュースにもなったのでご存じの方も多いと思うが、独特のコンビ名や、リズムネタの中に登場する意味不明のセリフが広島の原爆を暗喩(あんゆ)しているのではないかという“噂”がネット上で駆け巡ったからだ。検索をしていただけばいろんな話が出てくるのでここでわざわざ列挙はしないが、なかにはしっかりと意味のつながる解釈もあり、こじつけだとしても、よくぞここまで考えたと関心してしまう。

 本人たちはこれらの噂を全面否定しているが、しばらくして彼らが“一発屋”にならないためラッスンゴレライを封印するみたいなことを宣言したことで「自白したようなものじゃないか」という意見もあり、きれいサッパリと疑惑を拭いさるというところまでいっていない。

 「ラッスンゴレライ」の真相は定かではないが、このような原爆投下が結びつけられた陰謀論というのは過去にもいくつかあった。

 その代表が「ラッキーストライク」だ。ご存じのように、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)社が製造・販売している米国を代表するタバコブランドのひとつだが、実はこんな「都市伝説」がまことしやかに囁(ささや)かれていることをご存じだろうか。

 ラッキーストライクという名称は、太平洋戦争中に広島への原爆を投下直後にエノラ・ゲイの搭乗員が放った「Lucky Strike!!!」という言葉に由来をしている。あるいは、パッケージが白いケースに赤い円が描かれ、その中に「Lucky Strike」というロゴがあることから「日の丸」に爆弾を投下していることを暗に示したデザインになっており、この箱をクシャクシャに丸めることで日本への戦意高揚をさせた――。

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