米国で盛り上がっている、コンベンションビジネス最新事情人に話したくなるコラム(1/4 ページ)

» 2015年02月24日 08時00分 公開
[藤井薫,Business Media 誠]

著者プロフィール:

藤井薫(ふじい・かおる)

 大学を卒業後、広告代理店や出版社を経てライターに。

 『POPEYE』『an・an』(マガジンハウス)や『GLAMOROUS(グラマラス)』(講談社)などで、ファッション、ビューティ、ビジネスなど幅広い記事をカバー。日本と海外を頻繁に行き来して、海外トレンドを中心に情報発信している。

 そんな思いをベースに、世界の企業動向や経営哲学をはじめ、それをとりまくカルチャーやトレンドなどを中心にして、思わず誰かに言いたくなるようなネタを提供していくコラムです。


 最近、米国発で興味深いニュースがあった。不況のあおりを受けてひん死状態といわれて久しいデトロイトに、新しいアウトレットモールが2つも建設されるというのだ。ビジネス的に大丈夫なのかと心配になったのだが、その裏には「コンベンションセンター」の存在があった。

 デトロイトでは毎年、「Cobo Center(コボセンター)」というコンベンションセンターで「北米国際オートショー」が開催されている。まさに自動車産業で有名なデトロイトのシンボル的なイベントである。だがそのコンベンションセンターは老朽化が目立ち、一時はイベントの開催を別の場所に移すことが検討された。しかし紆余曲折を経て、2015年1月に2億7900万ドル(約332億円)かけて行われたリノベーションが完成したばかりだ。そして生まれ変わったコンベンションセンターの効果で、数年先まで大型イベントの予約が入るなど、地元に経済効果をもたらそうとしている。

 いま、米国でこのようなコンベンションセンターの建設やリノベーションが活況だ。コンベンションビジネスは、コンベンションセンターだけではなく、周辺地域のホテルやレストラン、アウトレットモールやショッピング施設など、コンベンションビジネスをサポートする都市開発を促す。新しい雇用を生み、地元経済を活性化させる起爆剤になるのだ。業界の予測では、コンベンションビジネスがもたらす経済効果が、2015年には690億ドル(約8兆2250億円)になるという。

 そのドル箱ともいえるコンベンションビジネスを狙って、米国各地でさまざまな取り組みが盛り上がりをみせている。そんなコンベンションビジネスの最新事情を追ってみた。

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