1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。
テレビで「外国人が見た日本文化のここがスゴイ」みたいな企画をよくやる。世界各国の文化や生活習慣の違いに驚くこともあるし、「へえ、日本ってそういう風に見えるんだ」という発見もあってわりと好きなのだが、その一方でやや物足りない部分もある。
「日本人のマナーの良さは世界一」「日本の“おもてなし”が世界で高評価」なんて調子で視聴者がいい気分になるような話が多いからだ。
いや、もちろん日本人だから日本が称賛されたらうれしいに決まっている。ただ、チヤホヤされているばかりでは“成長”できない。成長戦略の柱として「観光立国」を目指していることに加え、東京オリンピックも控えている今、日本で暮らす外国人のみなさんが「日本」についてぶっちゃけどう感じているのかという“ホンネ”を知ることはこの国の未来を考えるうえで非常に参考になるはずではないか。
なんてことを考えるのは、「日本人よりも日本のことを分かっている外国人」を知っているからだ。その外国人とは、デービッド・アトキンソンさん。全国の文化財、特に国宝の修繕・補修を300年以上も行ってきた「小西美術工藝社」の代表取締役社長を務める英国人である。
「なぜ外国人が日本の伝統文化を守る企業のトップに?」と不思議に思われるかもしれないが、デービッドさんの「日本文化」に対する造詣の深さは、一般の日本人ではとても太刀打ちができない。
オックスフォード大学で「日本学」を専攻したデービッドさんは日常でも茶道をたしなみ、京都では「町家」を完全に復元してそこで暮らすという日本人よりも日本らしいライフスタイルを送っている。
また、精通しているのは「文化」だけではない。実はデービッドさん、最初から文化財の世界にいたわけではなく、もともとはゴールドマン・サックス証券、ソロモン・ブラザーズ証券に籍を置き、17年にわたって日本経済を分析してきた「伝説のアナリスト」だったのだ。
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