ベーコン・コンドームって何? 禁断の食材に米国人が熱狂人に話したくなるコラム(1/3 ページ)

» 2014年06月19日 08時00分 公開
[藤井薫,Business Media 誠]

人に話したくなるコラム:

 いつでも簡単に世界中の情報を手に入れられる便利な時代になった今、逆に情報の波にのまれてしまっている人も多いはず。だからこそ、世の中に溢れる話題豊富で知的好奇心をくすぐるモノに目を凝らし、センスを磨けるような情報を深く探る――。

 そんな思いをベースに、世界の企業動向や経営哲学をはじめ、それをとりまくカルチャーやトレンドなどを中心にして、思わず誰かに言いたくなるようなネタを提供していくコラムです。


 近年、世界では肥満が大きな問題になっている。

 言うまでもなく、肥満は人間の体にマイナスの影響をもたらす。心臓疾患や糖尿病といった成人病になる可能性も高くなり、ヘタしたら寿命を縮めることにもなる。肥満は危険――そんなことは分かっていても、肥満になる人は増え続けている。

 世界でも信頼度の高い医学雑誌、ランセット誌にそれを裏付けるような記事が掲載された。米国ワシントン大学の研究チームが行った、183カ国を対象に1980〜2013年の肥満率(BMIが25以上)を分析した調査によると、過去33年で世界の肥満人口は成人で28%増加しているそうだ。現在、世界には21億人も肥満の人がいる。

 先進国の中で最も肥満率が高いのは米国だ。2013年には、なんと成人の33%が肥満だという。1980年と比較すると65%も増加していることになる。肥満が深刻な社会問題になってきたため、近年、さすがに食品業界もカロリーや脂肪分をカットした商品を販売している。しかし、そういった世の中のヘルシー志向に反して、欧米ではいかにも体に悪そうで太りそうな食べ物が人気上昇中だ。塩分や脂肪分が多く含まれる、罪悪感たっぷりのベーコンだ。

食べたら太りそうなのに……。いま米国でベーコンの人気が高まっている

ベーコンはアメリカン・アイコン

 どんなに肥満が問題になろうが、ヘルシー志向に逆行していようが、米国人のベーコンへ対する愛は尋常ではない。それは、ベーコンが食品という枠を越えて、もはやアメリカン・アイコンのような位置づけになっているからだ。

 ベーコンは、アメリカンブレックファーストには欠かせない定番アイテムだが、どこか脇役的な扱いで脚光を浴びることがなかった。ところが、2011年に米国デニーズが「Baconalia(ベーコン祭)」という期間限定フェアを始めると、メニューに初登場した「メープル・ベーコン・サンデー」が爆発的なヒットを記録。そこから改めて、ベーコンの魅力にスポットライトが当たるようになった。

 最近やたらと目にする「メープル・ベーコン味」の商品は、このヒットに乗っかったものが多い。いま日本で大流行のポップコーンから、米国ではドーナッツやポテトチップス、ビールやコーヒーにまでこの味が登場している。

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