自分の才能に出会う「旅」――日本GEトップに聞く、グローバル企業で働く醍醐味企業家に聞く【安渕聖司氏】後編(1/4 ページ)

» 2014年05月21日 08時00分 公開
[まつもとあつし,Business Media 誠]
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photo GEキャピタル社長兼CEOの安渕聖司氏

 世界最大のコングロマリット、ゼネラル・エレクトリック。変化の激しい時代でも成長を続けるコツはどこにあるのか。書籍『GE世界標準の仕事術』を執筆したGEキャピタル社長兼CEOの安渕聖司氏に話を聞いた。

 インタビュー前編では、一般的な外資系企業のイメージとは異なる、GE流の人材育成やそれを実現する文化、システムを解説してもらった。後編(本記事)では、グローバル化や英語学習について安渕氏がどのように考えているか、そしてGEという組織の“強さ”の秘密に迫る。

安渕聖司氏プロフィール

 日本GE株式会社代表取締役、GEキャピタル社長兼CEO。1979年に早稲田大学政治経済学部を卒業し、三菱商事に入社。1990年、ハーバード・ビジネススクールMBA修了。ビジネススクール在学時には、DeNAの創業者である南場智子氏と同期だったという。

 UBS証券会社への転職を経て、2006年にGEコマーシャル・ファイナンスにアジア地域事業開発担当副社長として入社。2007年、GEコマーシャル・ファイナンスジャパン社長兼CEOに就任。2009年にGEキャピタル社長兼CEOに就任し、日本の金融サービス事業全般を統括している。


日本にいてもグローバル化からは逃れられない

――この連載では、グローバル化や英語への対応というお話も伺っています。安渕さんにとって、グローバル企業で働く醍醐味とは?

安渕: まず前提として、グローバル化はすでに日本国内でも起きています。自分の会社があるとき突然、海外に支店を開くこともあるし、どこかと合弁するなどして、さまざまな形で海外と接点を持つことも、当たり前のように起こる世の中になりました。バーチャルな世界でもインターネットにつながっていれば、世界との接点が自然にできてしまう。もう誰もがそこから逃れられないのです。

 こうなると、日本でいくら仕事ができたとしても、世界のプレイヤーと比較されることになる。グローバル企業に勤めると、世界にいる同年代の人間が自分よりすごく仕事ができて驚くことも珍しくありません。よい刺激を受け、自分自身の成長につながるのは貴重な経験です。

 もう1つ、多様性の中からアイデアが生まれることも、ほかでは得がたい経験でしょう。人種、性別、年齢がさまざまなチームから出てくる意外な意見は、イノベーションを起こす源泉だと思います。

――そういった場に出たくない、安全で快適な日本に留まっていたい人が増えているという指摘もありますが。

安渕: 新しい場所に身を置き、新しい人とつながる機会を得ることが、グローバル企業で働くことの本質でしょう。もっと楽しいことや、自分では見つけられなかった己の才能を見つける、そんな旅に出てみませんか――と私は考えています。

 もっとも、経済的な理由などで日本に留まらざるを得ない人もいると思います。でも、今や日本には、世界の企業、あるいは世界を相手にビジネスをする企業が数多くある。そういう企業で働く機会を探る手もあります。もちろん、GEもそのための門戸を開いています。

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