元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。アイティメディアのONETOPIでは「ディズニー」や「博物館/美術館」などのキュレーターをこなしつつ、自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め日々試行錯誤中。
先日、日本でInstagramの関係者と話す機会がありました。Instagramはここ最近、企業の利用も進んでいて、スター・ウォーズやディズニーランド、MoMAなど、見ているだけで楽しくなるような公式アカウントが登場しています。
筆者は、身近なITの話を取りあげるこのコラム以外にも、通称「ムチャ振り弾丸取材シリーズ」を不定期で連載して(させられて?)います。この取材シリーズは誠編集部から「じゃ、明後日から海外取材行ってきて」と軽く告げられ、有無を言わさず海外に飛ばされるという、とても楽しいものです。これまでワイキキ、マレーシア、香港、ロンドンと取材しましたが、準備期間はほぼゼロ。現地に何があるのかは現地で調べる、という状態です。
そんな旅行でとても役に立つのはスマホ。現地のSIMを手に入れ、SIMロックを解除したスマホでGoogleマップをフル活用すれば、見知らぬ土地でも迷うことはありません。ロンドン旅行のときはスマホを片手に、大英博物館やビッグベンなど、観光客が行きそうな場所へ地下鉄を駆使して移動しました。実はこのとき、Instagramが大活躍したのです。
大英博物館を数十分で回った後(何せ1泊3日の弾丸取材でロンドン滞在は24時間未満ですから)、「もっと化石が見たい」とGoogleで検索。行き着いたのは、サウスケンジントンにあるロンドン自然史博物館でした。
エントランスのホールでは、巨大な草食の恐竜ディプロドクスの全身骨格標本がお出迎え。ほかにもシロナガスクジラの実物大模型や、体長6メートルはある巨大な哺乳類メガテリウムの全身骨格標本など、壮大な展示物が多数収蔵された見事な博物館でした。
Instagramのいいところは、写真に位置情報を明示的に付けられることです。このときも写真になるべく「Natural History Museum, London」の位置情報を付けていました。そろそろ帰ろうかと思い、ふと同じ位置情報を付けた写真をチェックしてみると、「あれっ、まだ見ていない場所がある!」。
大英博物館もそうですが、ロンドンの博物館はとても広く、本来ならば1日かけても回れないほど。じっくり回ったつもりのロンドン自然史博物館でしたが、みんなが写真を撮りたいと思う場所を見逃していたのではくやしくて帰れません。
残念ながら時間がなく、じっくりと見学できませんでしたが、Instagramがなければこの場所の存在すら知らなかったと思うと、「とてもありがたいツールだなあ」と思った次第です。
これまでこの連載で、ソーシャルネットワークサービスを「SNSは気を付けろ」「位置情報は個人情報を特定される」というトーンで取りあげたことが何度もありました。しかし、観光地などでは位置を埋め込んだ情報が、いつか誰かの役に立つのかもしれません。「写真」は言語を超えますしね。
冒頭に紹介したディズニーランドですが、いまや世界で一番「Instagramされている場所」なのだそうです。観光地で見逃せない場所に行ったら、まずはカメラアプリで撮影し、位置情報とともに投稿してみてはいかがでしょうか。もしかしたら、遠くから来た、見知らぬ人の役に立てるかもしれませんよ。
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